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院外心停止後への低体温療法で転帰改善せず スウェーデン・1,900例のTTM2試験

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 院外心停止後に昏睡状態となった成人患者に対する33℃を目標に行う低体温療法は、37.5℃以下に維持する常温療法に比べて6カ月後の死亡率の低下は示されなかった。スウェーデン・Skåne University Hospital LundのJosef Dankiewicz氏らが、院外心停止患者1,900例を対象としたランダム化比較試験TTM2(Targeted Hypothermia versus Targeted Normothermia after Out-of-Hospital Cardiac Arrest)の結果をN Engl J Med( 2021;384:2283-2294 )に報告した。(関連記事「 PCI前の低体温療法で院内死亡リスク低減 」、「 院外心停止の目標体温管理、至適施行時間は 」)

体温管理法のエビデンスは確実性が低い

院外心停止後への低体温療法で転帰改善せず スウェーデン・1,900例のTTM2試験

(C)Adobe Stock ※画像はイメージです

 米国心臓協会(AHA)のガイドラインでは、心停止後に自己心拍再開(ROSC)した昏睡状態の成人患者に対し、脳損傷を予防するために体温管理療法(32~36℃、24時間以上)を推奨しているが、全体的なエビデンスの確実性は低いとしている( Circulation 2020;142:S366-S468 )。心停止後の発熱例では神経学的転帰が不良のため、低体温療法により発熱への予防効果が示された可能性もある。

 研究グループは、TTM(Target Temperature Management 33℃ versus 36℃after Out-of-Hospital Cardiac Arrest)試験で、院外心停止患者の体温管理療法において目標体温33℃と36℃で転帰に差がないことを報告している( N Engl J Med 2013;369:2197-2206 )。今回は、低体温療法(目標体温33℃)と常温療法(同37.5℃以下)を比較するTTM2試験を実施した。

37.5℃以下+発熱早期治療と比較

 2017年11月~20年1月に、心原性と推測されるまたは原因不明の院外心停止後、昏睡状態にある18歳以上の連続1,900例を登録。低体温療法群(28時間後から段階的に復温)と、体温を37.5℃以下に維持し37.8℃以上の発熱時に早期治療する常温療法群に1:1でランダムに割り付けた。

 主な除外基準は、ROSC後180分超、初期リズムが心静止で目撃者がいない心停止、ケア上の限界などとした。ランダム化後96時間以上集中治療室を退出できない患者は、神経学的評価に基づき生命維持療法の継続/中止を決定した。

 主要評価項目は6カ月時点での全死亡。副次評価項目は6カ月時点でのmodified Rankin Scale(mRS)で評価した機能的転帰などとした。

6カ月時点の転帰に有意差なし

 intention-to-treat解析の対象は、低体温療法群930例と常温療法群931例で、平均年齢63~64歳、男性が79~80%。ショック可能な初期リズム72~75%、心停止からROSCまでの時間中央値は両群とも25分、入院時ショックは28~30%だった。

 主要評価項目を評価できたのは1,850例。6カ月時点での全死亡は、低体温療法群が50%(925例中 465例、常温療法群が48%(925例中446例)と有意差がなかった〔常温療法に対する低体温療法の相対リスク(RR)1.04、95%CI 0.94~1.14、P=0.37〕。

 機能的転帰を評価できた1,747例のうち、6カ月時点での中等度以上の障害(mRSスコア4~6点)は、低体温療法群が55%(881例中488例)、常温療法群が55%(866例中479例)で、同様に有意差は認められなかった(RR1.00、95%CI 0.92~1.09)。これらの結果は、事前に指定したサブグループ(性、年齢、初期リズム、ROSCまでの時間、入院時ショックの有無)でも一貫していた。

低体温療法で不整脈が増加

 血行動態を悪化させる不整脈は、常温療法群に比べて低体温療法群で多かった(17% vs.24%、相対リスク1.45、95%CI 1.21~1.75、P<0.001)。その他の有害事象の頻度(出血:5% vs.5%、肺炎:35% vs.36%、敗血症:9% vs.11%、体温管理装置に関連する皮膚合併症:1%未満 vs.1%)に有意差はなかった。

2試験で低体温療法の有益性を否定

 以上の結果から、Dankiewicz氏らは「院外心停止後に蘇生した昏睡状態の成人患者において、目標体温が33℃の低体温療法は、体温を37.5℃以下に維持する常温療法に比べて6カ月後の死亡率低下を示さなかった」と結論している。

 同氏らは「今回のTTM2試験の結果は、低体温療法の有用性が示された2002年の2件の試験( N Engl J Med 2012;346:549-556557-563 )とは対照的で、われわれが以前報告したTTM試験の結果とおおむね一致している。TTMの両試験を組み合わせた結果から、常温療法に比べて低体温療法で臨床的意味のある改善が得られる可能性は低いといえる」と指摘。また、有害事象について「血行動態を悪化させる不整脈が低体温療法でより高頻度だった理由として、低温にさらされたことが電解質異常、体液状態、心筋細胞に影響を及ぼしたと考えられる」と述べている。(坂田真子)

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