産業医・夏目誠の「ハタラク心を精神分析する」
医療・健康・介護のコラム
企業は変化しているのに、「これまで通り」にこだわり続けるおじさん社員、先行き不透明……
会社が「共同体」から「機能体」に変わった
産業医 :長年、産業医をしてきて、よく思います。会社には「共同体」と「機能体」の二つの面がありますね。比重の違いですが。元はドイツから出てきた分類ですが、私が表に整理してみました。

田代さん:(表を見ながら)共同体と機能体は有名な分類ですね。会社を「運命共同体」と思い、会社が伸びれば我々の生活も良くなる。会社第一で働く。以前は、「社員は家族のようなもの」とも言われましたね。
産業医 :なるほど。
田代さん:若い時は安い給与だった。やっとそれなりの給料がもらえるようになった。
産業医 :年功序列型賃金だったからね。大まかに言うと、昭和までは企業は共同体的要素の方が強かった。しかし不況が続き、産業構造も変わってきたので、利益を追求する機能体に変わってきた。
田代さん:会社は変わってきましたね。
産業医 :その流れが止まらない。
彼とは3回面談をしましたが、会社への怒りを語るだけで、受診しなくなりました。怒りの発散(カタルシス)のサポートにはなりましたが……。
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syou
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共同体であったからこそ、支えるため当時の若手が我慢し受け入れたマイナス部分を、何らかの形で還元しないまま会社が機能体に変われば…。当然、会社は恨まれるでしょう。意識を変えるために、会社側も何かしないといけないという観点が抜けている気がします。変われというなら会社側に海外企業のような人権意識がないのも気になります。社員の個人的事情は斟酌しない態度は…。
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