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大人の健康を考える「大人び」

医療・健康・介護のコラム

幸福長寿のすすめ(6)見えにくい「小さな段差」に注意…高齢者の転倒 命にかかわることも

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  このシリーズでは、大阪大老年・総合内科学教授、楽木宏実さんに聞きます。(聞き手・山崎光祥)

幸福長寿のすすめ(6)自宅や町中 転倒の危険

 高齢者は思いがけない状況で転び、手や膝、頭を打つけがをすることがよくあります。80代、90代と年齢が上がるほど転びやすく、結果も重大になるので、直近1年以内にそうした経験のある人は予防策が欠かせません。

 転倒の要因は個人と住環境の問題に大別されます。個人の問題では、足腰の筋力やバランス能力の低下、すり足のように小刻みに足を運ぶ高齢者特有の歩き方が挙げられます。脳卒中、膝や腰の病気、パーキンソン病のような神経疾患、睡眠薬の服用なども影響します。

 一方、住環境の問題としては、脱げやすいスリッパや滑りやすい靴下の着用、床に雑多に散らかる家財道具などがあります。立ち上がろうとして車輪の付いた椅子や机につかまり、ひっくり返るケースも起きています。

 町中に潜む段差も危険です。高齢者は、少し上がっているか、逆に少し下がっているような目立たない段差でもつまずいてしまい、頭を強く打って頭蓋内出血を起こしたり、太ももの骨を折ったりする恐れがあります。長期入院する間に体が衰える人も少なくありません。2019年の国の統計では、要介護になる要因で「骨折・転倒」は全体の12%を占め、「認知症」「脳血管疾患」に続く3位でした。

 転倒は、時に命にもかかわります。国内では毎年1万人が転倒によって亡くなっており、特に80歳以上では「不慮の事故」で亡くなった人の3割近くを転倒が占めています。

 対策として、まずは家族と一緒に転倒の要因を取り除く必要があります。歩く時に足を高く上げることも心がけてください。

楽木宏実さん

【略歴】
 楽木 宏実(らくぎ・ひろみ)
 1984年、大阪大学医学部卒業。89ー90年、米国ハーバード大学、スタンフォード大学研究員。2004年、大阪大学大学院加齢医学助教授、07年から同老年・腎臓内科学教授。内科学講座の改組により15年10月から現職。

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