常喜眞理「女のココロとカラダ講座」
医療・健康・介護のコラム
子宮頸がんだけじゃない! やっかいな病気をもたらすHPV…1回の性行為でも感染、ワクチン接種は「デビュー」前がベスト
13歳の女子中学生Uさんは、母親とともに来院した。Uさんの母親は過去に早期子宮頸がんの治療をされている。それゆえ娘が同じ病気になるリスクが減るなら、子宮頸がんのワクチンを接種させたいと考えていた。しかしその副反応のことが心配で2人で相談にきたのだった。
小さい頃から時々受診していたUさんは、すっかり大人びて受け答えもきちんとできる女性になっていた。Uさんにはワクチン接種の意義と副反応について説明し、不安なことはないか尋ねた。Uさんはすでに母親と話し合っていたようで、接種したいとはっきりと申し出てくれた。
肛門や外陰部などのがんにも関与
子宮頸がんはHPV(ヒトパピローマウイルス)というウイルスが強く関与していて、このウイルスは他にも中咽頭・咽頭がんや肛門がん、外陰部のがん、さらに 尖圭 コンジローマ(ウイルス性いぼ)など治療に苦慮する疾患にも関わる。
HPVはとてもたくさん種類があるのだが、がんを発症するウイルスはそのうちの一部に限られる。日本で公費で受けられるワクチンは、2種類のウイルスに対応するものと4種類のウイルスに対応するものがあり、子宮頸がんの60~70%に関わるウイルスの感染を予防する。後者には、尖圭コンジローマに関わるウイルス型も含まれ、可能であればこのワクチンを接種するのが良いと思う。
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