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医療・健康・介護のコラム

[女優 小松みゆきさん](下)「次回はいつに?」と言われて繰り返す顕微受精と移植……振り返って感じるのは不妊治療への怒り!

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 大学生の時に水着グラビアでデビュー。写真集でも人気を集め、セクシー系の映画などにも出ていましたが、演技力が認められ、フジテレビのドラマ「大奥」にはレギュラーで出演。テレビや映画、舞台で活動してきました。38歳で一般の男性と結婚。不妊治療の末に今年2月、49歳で長女を出産しました。1000万円以上を投じた不妊治療について思うことは山ほどあると言います。その思いを聞きました。(聞き手・渡辺勝敏、写真・中山博敬)

42歳で始めるなんて考えが甘かった

[女優 小松みゆきさん](下)「次回はいつに?」と言われて繰り返す顕微受精と移植……振り返って感じるのは不妊治療への怒り!

――仕事の関係もあって、42歳で不妊治療を始めたということですから、遅いスタートでしたね。

 健康だから妊活をすれば、妊娠するだろうって甘く考えていたんです。最初に町なかの小さな産婦人科を受診しました。血液検査で正確な排卵日がわかるので、タイミング法を3か月。それは効果なし。夫の精子を取りだして子宮に入れる次の人工授精にする時に、大きな病院に行けば妊娠できない原因が何かわかるんじゃないかと思って、大病院の産婦人科に変えました。そこで卵管の検査を受けましたが問題はありませんでした。人工授精を3回。そうしているうちに43歳に。これはまずい、と思って不妊治療の評判がいいという病院に変えました。

――3軒目の病院に移ると何か変化はありましたか。

 初めて夫の精子の検査を受けて、運動率や濃度に問題ないことがわかりました。病院から勧められるままに、高齢だということで通常の体外受精ではなく、精子を卵子に針で注入する顕微受精を始めました。そこでは採卵が大変。2日おきぐらいに排卵を誘発する注射を打って、ホルモン値の検査。採卵は全身麻酔だったので、当日は自分で車を運転して行くわけにはいかず、夫に送迎してもらいました。2人がかりで1日がこれで終わり。普通に仕事を入れるのは難しいですね。1年間に3回採卵して4回の移植。この病院は1年で見切りをつけようと思っていたので、人づてにほかの専門病院のことを聞いて、「やることは同じだろう」と思いながらも転院しました。

移植を繰り返すのは運任せ…不妊治療は医学じゃなく宗教?

――次の専門病院では何か違いがありましたか。

 精子の検査が違いましたね。運動量とか濃度だけではなく、頭の部分の欠損とか、しっぽの形とか、検査が詳細になりました。夫の精子に問題はないし、卵もよくとれていました。受精させると、1、2個は分裂が進んで胚盤胞もできます。それでも何度移植をしても、結果は出ません。結果がダメとわかると、お医者さんからは「次はいつにしましょう」と言われます。4回着床しましたが、5週ぐらいで流れてしまうんです。

 「原因は何ですか」とお医者さんに聞いても、「年のせいです」。女性ホルモンの値は毎回違うし、ホルモンの治療を積極的にやる病院もあるし、そうでない病院もあります。「何か確率を上げる手立てはないんですか」と質問すると、無言の先生もいました。1回やってダメなら、何かやり方を変えるとか提示していただけないのかな、とだんだん不信感が湧いてきましたね。「運しかない」というお話をする先生もいました。「不妊治療は医学ではなく宗教ですか」と思いましたよ。

――ただ、漫然と偶然による成功を頼りに高額な治療を繰り返す。納得できない気持ちも理解できます。

 自分でいろいろ調べて、着床前診断というのがあることを知りました。流産を繰り返す場合、受精卵の染色体に問題がないかどうか調べることができるというんです。私が治療を受けたどの医師からも受精卵の染色体に問題があるかもしれないなんていう説明は聞いていません。ところが、欧米では妊娠率を上げるために一般的に行われているというのです。ワラにもすがる思いで着床前診断を受けることができる医療機関を探しました。

着床前診断で最後の4個の受精卵のうち可能性があるのは1個とわかった

――何度も流産する方は受精卵の染色体自体に問題があるケースがあるので、少し分裂を始めた受精卵の一部を取って染色体を調べるものですね。ただ、この検査によってある種の障害など生命の選別につながるという議論もあって、どこでも受けられる検査にはなっていませんね。

 それまでの治療では、受精卵がいくつかできると、受精卵の質を外見から判断してグレードに分けて、グレードの高いものを移植するという説明でした。クラス1から6ぐらいまでありました。それも根拠があってのことだとは思いますが、私の場合この判断は当たりませんでした。45歳の時に採卵して顕微受精でできた受精卵のうち一番グレードが高いと判断されたものを移植してもうまくいきませんでした。結果から言えば、この時に外された受精卵で出産することができました。

 この年には、移植しなかった受精卵4個を着床前診断後に凍結保存しました。染色体やサイズに問題がないものは1個だけだったのですが、その時はあまり勉強していなくて着床前診断って信頼できるのかなと思って、良いとは言えないものも含めて凍結保存したんです。結局、最後にするつもりで問題がないと言われた1個を移植して無事に育って出産できました。

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