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今井一彰「はじめよう上流医療 あいうべ体操で元気な体」

健康・ダイエット・エクササイズ

原因不明の痛みで「仮病」「なまけている」と誤解も SAPHO症候群とは?

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 滑膜炎、ざ (そう) (ニキビ様皮膚炎)、皮膚のう (ぽう) 症、骨過形成症、骨炎と、あまり目にする機会のない病名が五つも並んだら、「SAPHO症候群」と呼ばれる病気の可能性があります。まれな疾患ですし、症状が様々ですから、それぞれ別々の病院や診療科を受診し、違う診断名で治療を受けていることもしばしばです。

血液検査では所見なく、精神安定剤を処方されることも

 この病気の患者さんは、何とも表現のしようがない肩や胸背部の痛みを訴えることが多いのですが、血液検査では特徴的な所見がありません。そのため、原因不明の精神的な痛みとして、精神安定剤を処方されることもあります。この「病気の原因が不明」いうフレーズにピンときたら、病巣疾患のことを思い出してください。治療のヒントになるかもしれません。

 病巣疾患とは、古代からたびたび報告されている体の現象ですが、現代になってもその病気のメカニズムがはっきりしない部分も多いため、作用機序のはっきりしている薬剤治療などと比べると、その治療や考え方は“一段低く”みられがちです。

 以前は病巣感染症と呼ばれ、虫歯や歯根のう疱など感染症と結び付けられていましたが、常在菌や汚染物質などによる炎症によっても引き起こされることが分かってきたため、病巣疾患と呼ばれるようになりました。

扁桃の摘出術が有効

 「原病巣自体は症状がないか、あっても軽いけれど、そこから離れた別の臓器に対して二次的な病変をおよぼす病態」が病巣疾患の定義とされ、SAPHO症候群では、重要な原病巣の一つである (へん)(とう) の摘出術が有効です。この病気の患者さんは、慢性扁桃炎を引き起こしており、そこが原病巣となって様々な遠隔臓器に悪影響を及ぼしているのです。

 ところが、扁桃がすぐ腫れて高熱が出る、というエピソードがない人も多く、様々な症状と扁桃との密接な関係性が直感的にわかりにくいというのが、病巣疾患への理解を難しくしています。また原病巣は扁桃のみならず、 口腔(こうこう) 内、副鼻腔、消化管など体のあちこちに存在するため、その部位を特定するのが大変です。それでも、原因を突き止めて取り除くことができると治癒につながりますから、原病巣探しはとても大切なことなのです。

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今井 一彰(いまい・かずあき)

 みらいクリニック院長、相田歯科耳鼻科内科統括医長

 1995年、山口大学医学部卒、同大学救急医学講座入局。福岡徳洲会病院麻酔科、飯塚病院漢方診療科医長、山口大学総合診療部助手などを経て2006年、博多駅近くに「みらいクリニック」開業。日本東洋医学会認定漢方専門医 、認定NPO法人日本病巣疾患研究会副理事長、日本加圧医療学会理事、息育指導士、日本靴医学会会員。

 健康雑誌や女性誌などに寄稿多数。全国紙、地方紙でも取り組みが紹介される。「ジョブチューン」(TBS系)、「林修の今でしょ!講座」(テレビ朝日系)、「世界一受けたい授業」(日本テレビ系)、「ニュースウオッチ9」(NHK)、「おはよう日本」(同)などテレビやラジオの出演多数。一般から専門家向けまで幅広く講演活動を行い、難しいことを分かりやすく伝える手法は定評がある。

 近著に「足腰が20歳若返る足指のばし」(かんき出版)、「はないきおばけとくちいきおばけ」(PHP研究所)、「ゆびのば姿勢学」(少年写真新聞社)、「なるほど呼吸学」(同)。そのほか、「免疫を高めて病気を治す口の体操『あいうべ』」(マキノ出版)、「鼻呼吸なら薬はいらない」(新潮社)、「加圧トレーニングの理論と実践」(講談社)、「薬を使わずにリウマチを治す5つのステップ」(コスモの本)など多数。

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