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[女優 小松みゆきさん](上)50歳での授乳に思う…大変なことをしてしまった! 不妊治療に7年で1000万円以上
スカウトでグラビアデビュー、ヌードも仕事だから
――出産後は母子ともに元気に暮らしているということですね。お話はさかのぼるんですが、小松さんが芸能界に入ったきっかけは何ですか。
父は福島県のいわき市で今もボウリング場を経営しているのですが、夏休みや冬休みになると忙しいので、小学生のころから東京の親戚に預けられていたんです。原宿や渋谷に遊びに行くと何度かスカウトに声をかけられることがあって、俳優さんをやりたいという気持ちが芽生えてきました。でも、地方にいるので現実には無理。東京の大学に進んで一人暮らしをするようになって、その時にスカウトされたのでやることにしました。
――グラビアやセクシー系の映画で注目されましたが、抵抗はありませんでしたか。
デビューの時もグラビアと映画の高校生役の撮影が同時進行で、「水着を」と言われれば水着を着て、大学生でも「高校生役」と言われれば、それをやる。「グラビアで反響があったよ」と言われれば、その次の仕事も受ける。そんな感じですね。グラビアも俳優をやるための布石と思っていました。当時、樋口可南子さんとか宮沢りえさんがヘアヌード写真集を出すようになった時代。気持ちの中ではそれが大きかったですね。女優さんがやっていることだから、映画の中でそういうシーンがあれば裸になることもあると、自然に受け止めていました。
仕事があったので不妊治療の開始は42歳
――女優として印象的な仕事にはどのようなものがありますか。
20歳代のころにNHK大河ドラマ「元禄 繚乱 」(1999年)に出演させていただいたことですね。忠臣蔵をテーマにしていて、主演の中村勘九郎さん(当時)を始め、そうそうたる俳優さんたちを目の当たりにしたのは初めて。夢のような時間でした。自分で能動的に芝居をして、「これで、どうですか」っていう感じでやらなきゃいけないという意識を持たされました。でも、私自身は技術もないし、自信もなくて 委縮 してしまって、もったいないことをしました。その後、30歳代になると、フジテレビ系の時代劇シリーズ「大奥」にはずっとかかわらせていただきました。
――芸能生活を振り返っていただいたところで、再びお子さんの話に戻ります。38歳でご結婚ですが、その時からお子さんは欲しいと考えていましたか。
私の時代は女優とかアイドルになると、彼氏がいるとか、結婚の話はタブーな面がまだ残っていました。この仕事をしている限り結婚できないのかなと思って、結婚の機会があっても、結婚を諦めて仕事を選んでいたんです。そうするうちに30歳代後半になると、「もういいんじゃないか」と思って一般の男性と結婚しました。子どもは欲しかったんですが、翌年の結婚式までは作らないと思っているうち、「大奥」の舞台の全国巡業の仕事などが入ってきました。これはやりたい仕事だったので、子どもの方は延ばし延ばしになってしまって。年齢が上がると妊娠しにくくなるとは、なんとなく思っていましたが、健康だったので、「できるんじゃない」と簡単に考えていたんです。仕事が一段落した時には42歳。無知でした。
医療機関6軒、受精卵の移植は14回、1000万円以上使った
――アラフォーから上になると、妊娠率は急速に低下しますが、その時から不妊治療を始めたわけですね。
本を参考にしながら、基礎体温を測って排卵日を予想して、タイミングを合わせるということから始めたのですが、何か月か試みてもうまくいかなくて……。それで少しぐらい病院の力を借りてみようと、町の産婦人科を受診したのが不妊治療の始まりです。7年間に通った医療機関は6軒、合計すると顕微受精は11回、受精卵の移植が14回。かかった費用は治療費だけで1000万円を超えています。45歳の時には、採卵の度に移植に使わない受精卵を着床前診断の後で凍結保存しました。その年に凍結保存したのは4個。その中で、染色体にもサイズにも問題がないのは1個だけでした。その後、もう48歳でしたから大きな期待はせずに、「これを体の中に返して終わりにしよう」と移植をすると、着床して無事に育ってくれたんです。
子どもが成人したら70歳、でも夫は8歳年下
――娘さんが成人するころには、70歳近くなりますね。そのことはどう考えましたか。
子どもを育てるには、現実問題としてお金が必要ですよね。夫は8歳年下なんです。うちの稼ぎ頭は20年たっても60ちょっと。まあ、元気で働いているんじゃないか。そんなことを夫婦でよく話し合って決めました。それでも、いざ、「乳飲み子を抱えた50歳」と思うと、我が事ながら驚いています。
こまつ・みゆき 1971年生まれ、福島県いわき市出身。大学生の時に水着グラビアでデビュー。グラビアや写真集で注目される。女優としてもテレビ、映画、舞台で活動し、フジテレビ系時代劇シリーズ「大奥」にはレギュラーで出演した。今年2月、7年間の不妊治療を経て、49歳で第1子となる女児を出産した。
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