歌手 太田裕美さん
一病息災
[歌手 太田裕美さん]乳がん(3)薬の選択肢少ない「トリネガ」 抗がん剤治療で5分と立てず…
乳がんは、がんの広がりで1~4期に分類されるほか、がん細胞の特徴によっても区別されている。女性ホルモンに反応するタイプか。増殖にかかわるHER2(ハーツー)というたんぱく質があるか。これらの違いによって薬物療法の選択が変わる。
トリネガは、二つの女性ホルモン受容体とHER2がいずれも陰性というタイプ。陽性ならホルモン療法薬や分子標的薬という治療法もあるが、陰性だと薬物療法は抗がん剤のみとなる。
「お薬の選択肢が少ないと聞いています」
2019年7月に手術を受け、9か月に及ぶ治療が始まった。8月からの抗がん剤治療は3週間に1回のドセタキセルという薬から開始。最初はつらかった。家に帰ってもだるくて、5分と立っていられず、横になった。「こんな私、今までになかった」
それでも副作用止めの薬を飲むとだるさはかなり楽になった。手の皮がピリピリしてむける副作用も出たが、洗い物は夫がやってくれるので助かった。
治療で仕事を休まない。抗がん剤治療中の11月、薬の時期をずらして、デビュー45周年の大きなコンサートをやり切った。その後もつらい抗がん剤治療は、翌年1月まで続いた。
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歌手 太田裕美 さん(66)
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