文字サイズ:
  • 標準
  • 拡大

大人の健康を考える「大人び」

医療・健康・介護のコラム

幸福長寿のすすめ(5)ボランティアする高齢者 長く「自立」維持

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

 このシリーズでは、日本老年医学会の前理事長で、大阪大老年・総合内科学教授、楽木宏実さんに聞きます。(聞き手・山崎光祥)

幸福長寿のすすめ(5)社会参画 身近なことから

 定年退職後にすることがなくなったり、外出がおっくうになったりして家で孤立する高齢者は少なくありません。社会や周囲の人々と関わり続け、少しでも誰かの役に立てれば、自らの存在意義を実感できるはずです。そうした「自己肯定感」は、身体機能や社会的地位など失うものが多い老後において、新たな生きがいや幸福感をもたらすでしょう。

 社会に参画する方法は、就労に限りません。登下校中の小学生を見守るなど、短時間のボランティア活動でもよいと思います。

 ボランティア活動をしている高齢者ほど、自立していられる期間が長いことも分かっています。東京都健康長寿医療センター研究所は、65歳以上の高齢者1320人を対象にボランティア活動と自立度の関係を調査しました。月1回以上活動を続けた人のうち、生活機能を4年後も維持できた割合は、ボランティアに参加していない人たちの3・3倍に達しました。

 ボランティアはハードルが高いという人は、孫の世話をしたり、ゲートボールやハイキングといったサークル活動を楽しんだりするのもいいでしょう。大事なのは、一人にならず、できるだけ誰かと一緒にやることです。他の参加者の話し相手になることは、自分で思う以上にその人の役に立っているはずです。

 「健康」と聞けば、頑健な状態を思い浮かべるかもしれませんが、精神面の健康も同じくらい重要です。積極的に誰かとつながり続けることが、いい形で年を重ねる「サクセスフル・エイジング」には不可欠です。

楽木宏実さん

【略歴】
 楽木 宏実(らくぎ・ひろみ)
 1984年、大阪大学医学部卒業。89ー90年、米国ハーバード大学、スタンフォード大学研究員。2004年、大阪大学大学院加齢医学助教授、07年から同老年・腎臓内科学教授。内科学講座の改組により15年10月から現職。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

otonabi_logo_200

大人の健康を考える「大人び」
大人に特有の体の悩みに応えるコーナーです。各テーマの専門家がアドバイスします。

大人の健康を考える「大人び」の一覧を見る

最新記事