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軽い運動を始めたら腰痛発症。変形性脊椎症と言われたが、鎮痛薬の常用は避けたい。どうすればいい?

 年初から踏み台登りと相撲のような四股踏みトレーニングを始めました。3月下旬、就寝中寝返り時に強い腰痛で目覚めて、整形外科を受診、変形性脊椎症の診断でした。鎮痛薬の処方と指圧のような柔らかい整体療法。整体療法の効果感じず、鎮痛薬の常用も避けたい。腰痛は、日常の行動でも時に生活安全上の不安を感ずることが多く、整体、整骨院通所を思案中です。アドバイスをお願いします。(78歳、男性)

痛みの原因をできる限り特定して、専門家のアドバイスを受けて運動療法を

大関信武 東京医科歯科大学整形外科(膝関節・スポーツ医学)

 78歳で踏み台登りと四股踏みの運動を開始したことは、健康寿命を延ばすためにも素晴らしいですね。最近、ロコモティブシンドローム(略してロコモ)という言葉が一般の方にも広まってきています。これは、運動器の障害のために移動機能の低下をきたした状態のことです。骨、関節、筋肉など運動器の能力が低下しないよう、日本整形外科学会では運動器を長持ちさせて健康寿命を延ばすため、ロコモを防ぐための予防トレーニング「ロコトレ」(https://locomo-joa.jp/check/locotre/)を提唱しています。また、ロコモと関係するフレイルという言葉もよく耳にしますね。

 今回、就寝中に強い腰痛が出現したのは心配ですね。整形外科で変形性脊椎症の診断をされたということは、単純X線検査を受けたのだと思います。整形外科を受診すると、まず重篤な脊椎疾患(腫瘍、感染、骨折など)の合併が疑われる危険信号がないかを確認します。体を動かさなくても痛いとか、発熱があるといったことにも注意します。

夜間の強い痛みが続くならMRI検査を

 もし、この危険信号に該当せず、下肢のしびれや神経症状がない場合、痛みの程度に応じて4~6週間の保存的治療が行われます(日本整形外科学会・腰痛診療ガイドライン2019改訂第2版より)。しかし、この危険信号が複数ある場合は注意が必要です。もし夜間の強い痛みが変わらないようであれば、MRI(磁気共鳴画像)検査を受けることをお勧めします。

 現在、発症から3か月以上経過しているということは、慢性腰痛の段階に入っています。鎮痛薬の常用を避けたい気持ちも分かります。ただ、内服薬にも、非ステロイド性抗炎症薬のほか、アセトアミノフェン、弱オピオイド、セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬など、選択肢は複数あるので、一度、主治医に相談してもよいと思います。また、理学療法士の指導のもとで行う運動療法も勧めます。現在の痛みの程度にもよりますが、ストレッチや体幹筋力強化などを中心に行っていくのがよいでしょう。

民間療法もあるが、標準的な治療からあまり外れないように

 整体、整骨院通所も個人の判断でいくことは構いませんが、腰痛における整体などの徒手療法、鍼治療、ヨガ、マッサージなどの代替療法に効果があるという科学的な根拠が確立されているわけではありません。腰痛はある一つの治療で治ることもあれば、複数の治療を行ってもなかなか改善しないこともあり、様々な民間療法もあります。痛みの原因を可能な限り特定してもらった上で、標準的な腰痛治療からあまり外れない治療を受けることが大切と考えます。

 大関 信武(おおぜき のぶたけ) 整形外科専門医・博士(医学)。日本スポーツ協会公認スポーツドクター。一般社団法人日本スポーツ医学検定機構代表理事。2002年、滋賀医科大卒。15年より、東京医科歯科大勤務。ヨミドクターでコラム「 スポーツDr.大関のケガを減らして笑顔を増やす 」連載中。

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