文字サイズ:
  • 標準
  • 拡大

知りたい!

医療・健康・介護のニュース・解説

コロナワクチンでよく聞く「アナフィラキシー」ってどんな症状?

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

 新型コロナウイルスのワクチン接種に伴う急性のアレルギー症状「アナフィラキシー」に注目が集まっています。重いショック症状に至ることもありますが、発生頻度はまれです。対処法もあり、過度な心配は不要だとされています。(辻田秀樹)

複数の臓器に症状

コロナワクチンのアレルギー反応…発症まれ 恐れすぎず

 アナフィラキシーは、アレルギーのもとになる物質(アレルゲン)が体に入ることで起こります。医薬品のほか、虫刺されや食べ物をきっかけに発生し、命にかかわることもあります。

 複数の臓器に症状がみられます。〈1〉皮膚、粘膜症状(全身の発疹やかゆみ、口や舌のただれ)〈2〉呼吸器症状(呼吸困難、強いせきなど)〈3〉循環器症状(血圧低下、意識障害)〈4〉消化器症状( 嘔吐おうと 、下痢など)――のうち、少なくとも2項目があれば、診断されます。

100万回に13件

コロナワクチンのアレルギー反応…発症まれ 恐れすぎず

 厚生労働省は、コロナワクチン接種に伴うアナフィラキシーについて、製薬企業に報告を求めています。5月30日までに国際基準をもとに169件を、アナフィラキシーと判断しました。この間の接種回数は約1300万回で、100万回あたり13件でした。インフルエンザワクチンの場合の発生頻度(100万回あたり数件)より高いものの、かなり低い確率です。

 多くは、接種を受けてから30分以内に発症します。念のため、重いアレルギーを起こしたことなどがある人は接種から30分、それ以外の人は15分、会場にとどまり、様子をみます。

コロナワクチンのアレルギー反応…発症まれ 恐れすぎず

 発症者に対応するため、接種会場には、アドレナリンの注射や血圧計などが備えられています。

 かゆみや発疹など症状が軽いなら、抗ヒスタミン薬を飲み、血圧や脈拍、呼吸などを確かめながら、慎重に経過をみます。

 呼吸困難や意識が不確かになるなど深刻な症状がみられたら、医療従事者によるアドレナリンの注射が必要です。その上で、酸素吸入や点滴などができる医療機関に搬送され、治療を受けます。

大半は回復

 厚労省によると、コロナワクチン接種に伴うアナフィラキシーを起こした人の大半は回復しています。厚労省の副反応検討部会メンバーで、東京医科大特任教授の浜田篤郎さんは「迅速、適切に対処できているのだろう。接種を受ける人が増えても、接種会場できちんと備え、命を守ることが大切です」と話しています。

 国内では、アナフィラキシーを起こした人の9割以上は女性でした。使われている米ファイザー製と米モデルナ製のワクチンには、ポリエチレングリコール(PEG)が含まれています。化粧品の成分にもなる化合物です。これがアナフィラキシーの原因物質となっている可能性を指摘する専門家もいます。

 日本アレルギー学会は3月、コロナワクチン接種に伴うアナフィラキシーのメカニズムや診断、治療などに関して提言をまとめました。提言策定の中心になった東海大教授の浅野浩一郎さんは「今回のワクチンは、新型コロナの発症を防ぐ効果が非常に高く、ほとんどの人にとっては、リスクより便益が高くなります。リスクを恐れすぎず、積極的に接種を考えてほしい」と呼びかけています。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

知りたい!の一覧を見る

最新記事