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医療・健康・介護のコラム

[女優 南野陽子さん](上)「つらくても、生きる」そう考えたら自分自身が救われた

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安楽死「あっていい」とは言えない

[女優 南野陽子さん](上)「つらくても、生きる」そう考えたら自分自身が救われた

  ――観客自身のこれまでの人生や死生観が問われるのですね。原作者の南杏子さんも、インタビューで「大切な人が死を願うほど苦しんでいる時、あなたならどうしますか?」という問いかけを作品に込めたとおっしゃっていました。

 当事者になったつもりで考えるとしても、家族と本人では、また違う思いがあるでしょう。「命」や「終末期医療」「尊厳死」などについて、さまざまな視点から考えてみたり、周りの人と話し合ったりするきっかけになる映画だと思います。

  ――作品の重要なテーマの一つが「安楽死」です。容易には結論の出ない問題で、なかなか議論も進みませんが、南野さん自身はどう考えていますか?

 以前は、「人生の終わり方を自分で決めてもいいんじゃないかな」と思っていました。

 これまでにも、安楽死を巡る事件がたびたびニュースになっていますよね。2年くらい前のことですが、映画やドラマの題材になるのではと思い、資料を集めて読んでみました。その中には、日本から安楽死が認められている国に渡り、命を終わらせた人のことを書いた本などもありました。

 本人、家族、医療関係者……それぞれの立場になって考えるのは、とても苦しい経験でした。苦しみながらとことん考える中で、「どんなにつらくても、生きる」という道を思い浮かべた時、気持ちがすごく楽になったんです。「死」より「生」に光を当てたことで、自分自身が救われたように感じました。

 死を願うほどの苦痛にさいなまれている人の思いには真摯しんしに向き合わねばなりませんが、安楽死について安易に「あっていい」とは言えないと、今は思っています。

女優 南野陽子さん

みなみの・ようこ  1967年、兵庫県生まれ。85年、「恥ずかしすぎて」で歌手デビュー。「はいからさんが通る」「吐息でネット」などでオリコンシングルチャート8作連続1位を記録。女優としては、同年にドラマ「スケバン刑事II 少女鉄仮面伝説」で主演、一躍トップスターに。映画、ドラマ、舞台などで活躍、出演作品は300本を超える。映画「寒椿」「私を抱いてそしてキスして」(ともに1992年)で日本アカデミー賞優秀主演女優賞を受賞。公開中の映画「いのちの停車場」では、小児がんに苦しむ女の子の母親を演じている。

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