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医療・健康・介護のコラム

[女優 南野陽子さん](上)「つらくても、生きる」そう考えたら自分自身が救われた

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 在宅医療に取り組む小さな診療所が舞台の映画「いのちの停車場」(劇場公開中)で、小児がんと闘う女の子の母を演じた女優の南野陽子さん。撮影を通して終末期医療や安楽死といった重いテーマに向き合い、どんなことを感じたのでしょうか。作品を見る人へ伝えたいメッセージとともに語っていただきました。(聞き手・飯田祐子、撮影・小倉和徳)

幼い子を亡くす母を演じて

[女優 南野陽子さん](上)「つらくても、生きる」そう考えたら自分自身が救われた

  ――「いのちの停車場」では、まだ8歳の子供が治る見込みのないがんに苦しんでいます。その姿や、娘を助けたい一心でもがく母親の様子に胸が痛みます。

 10年ほど前に母が他界しました。親が自分より先に逝くのは順番通りともいえるのですが、それでも寂しさや悲しみが完全に癒えることはありません。私自身は子供はいませんが、自分の中から生まれいでた愛しい者をわずか8歳で失う苦しみは、想像に余ります。

 親なら誰だって、おまじないにでもすがりたい、できるものなら代わりに自分の命を差し出してもいいという気持ちになるのではないでしょうか。私が演じた母親は、娘の命をなんとか延ばしたいと思い詰めるあまり、不安やいらだちが言動にも表れてしまうのですが、娘自身は残されたわずかな時間の中でも成長を見せます。

宿題のような作品

[女優 南野陽子さん](上)「つらくても、生きる」そう考えたら自分自身が救われた

  ――吉永小百合さん演じる主人公の女性医師は、死に直面する患者たちを前に、難しい判断を迫られます。中でも、激しい痛みに苦しむ主人公の父を巡る結末は議論を呼びそうです。

 映画の台本は、原作と比べるとかなりそぎ落とされている印象で、撮影中は「あの部分やこの部分も入れた方が、観客に伝わりやすいのでは」なんて感じていました。でも、できあがってみると、全てを説明しないことでさまざまな解釈が可能だと気がつきました。観客がそれぞれに感じたことや考えたことを含めて一つの作品、という感じです。

 見る人が、これまでどんな環境でどんな人と出会い、どう生きてきたのか。それによって見え方が変わってくると思います。監督や出演者にもそれぞれの解釈があって、正解は一つではない。「あなたはどう思いましたか?」と、問いかけてくるような作品なんです。見終えた時、大きな宿題を出されたような気持ちになります。

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