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がん患者団体のリレー活動報告

医療・健康・介護のコラム

NPO法人 わたしのがんnet

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 私たちの組織は、患者の声を動画や文字メッセージを使ってインターネットで発信したり、がん体験者が気軽に悩みなどを話し合う「cafe(カフェ)」を開催したりして、当事者同士をつなげることを目的に活動を続けています。全国のがん拠点病院の相談支援室や患者会などと様々な形で連携することもできました。しかし、この1年半ほど、新型コロナウイルス感染症の影響で対面での「カフェ」やシンポジウムなどイベントの開催が難しくなり、中止や延期を余儀なくされています。その中でも、オンラインでの開催を模索し、新たな連携方法を発見するなど、時代に合った活動を行っていきたいと思います。

NPO法人 わたしのがんnet

生きることの意味などについても考える「がんのこと@cafe ONLINE」

がん体験者が集う「カフェ」

 私たちが心がけているのは、「がんに関わる全ての人の情報発信を支援する!」ことです。

 実際にがん体験者が集う「カフェ」を岐阜市の複合施設「みんなの森 ぎふメディアコスモス」で継続的に開催しています。「カフェ」の名前は「きよまるcafe」。「今日も〇(丸)」という願いを込めました。グループに分かれて、持ち寄ったコーヒーを飲みながら、病状や悩みなどを語り合います。感染症予防に万全をつくして小規模なりに「カフェ」を開催しています。

コロナの影響でオンラインカフェ

 一方、オンラインでの「カフェ」も始めました。名前は「がんのこと@cafe ONLINE」。これまでに関西や中部、甲信越の患者会などとつながることができました。

 話し合うテーマは、「怒りと憤り」「メディアリテラシーとがん治療」「コミュニケーションスキル」など様々です。治療の悩み相談といったことではなく、個々の生きる意味などを考える機会、意思疎通の障壁となるもののとらえ方、その改善方法などについて語り合いました。リアルだと話しにくい、むしろオンラインだから話せるという声を聞くことができました。

 地方の参加者からは、地域性としての医療格差という話が出ますが、他の地域の方と話す中で、格差そのものが思い込みであることに気づき、主治医との関係が変わる可能性が見えてきたケースもあります。オンラインだからこそ、広範囲で奥行きのある話し合いができているのではないか、とも思います。

脳腫瘍の闘病を1コマ漫画に

 最近、組織のホームページをリニューアルし、掲載されている情報量が格段に多くなりました。

 英国在住の方が現地のがん治療やケアシステムなどについて報告する「イギリス通信」、肺がんと宣告された沖縄県に住む女性が、自身の子ども時代からなじんできた心と体に優しい料理を紹介する「みちこさんのぬちぐすい 沖縄料理レシピ集」など多彩なブログが満載です。

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心と体に優しい沖縄料理を紹介する「みちこさんのぬちぐすい 沖縄料理レシピ集」

 中でも特筆すべきは、「わたしのがんnet」共同代表である羽賀涼子さんが執筆連載する絵日記ブログ「脳の中のシュークリーム」です。16歳で白血病になって骨髄移植を経験し、約30年後に、今度は脳腫瘍を発症しました。脳外科手術やリハビリの日々などを1コマ漫画でつづっています。必見です!

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共同代表の羽賀涼子さんが執筆連載する絵日記ブログ「脳の中のシュークリーム」

闘病記図書館パラメディカ

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7000冊余りの闘病記を収蔵した静岡県伊東市大室高原の「闘病記図書館パラメディカ」

 私たちの財産は「闘病記図書館パラメディカ」です。

無名の人の闘病記を全国から集めてインターネットで販売する闘病記専門古書店「パラメディカ」店主の星野 史雄(ふみお) さんが2016年、亡くなりました。大腸がんなどの闘病をされてきました。

 星野さんから7000冊余りの書籍を私たちの組織が譲り受けました。それらの本は、静岡県伊東市大室高原に開設した「闘病記図書館パラメディカ」で読むことができます(新型コロナウイルス感染症の影響で当面、閉館中)。

 乳がんの妻を 看取(みと) り、そして自身も大腸がんなどを患った星野さんがそうだったように、闘病記には、患者が家族や知人とともに希望につながる日々を共有するための貴重な情報があふれています。

 現在、組織のホームページ内にある「闘病記図書館パラメディカ」のサイトでは、がん種別に短評を添えた検索機能付きの書籍リストを作成中です。

小冊子「いきるを包む」の発行

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小冊子「いきるを包む」のバックナンバー

 年に3~4回、小冊子「いきるを包む」を発行しています。がん当事者を中心に医療関係者などにもインタビューし、安定した生活を維持・継続させるための情報を掲載しています。各回、3000~4000冊を発行し、全国のがん拠点病院患者図書室や相談支援室などに配布しています。あらゆる機会を生かして連携を図っているところです。

 これまで、福岡、北九州、松山、和歌山、東京、千葉、盛岡、秋田の各地で「がん」そして「がんと認知症」のイベントを地元の関係団体と共催してきました。今年のゴールデンウィークに熊本で「がんと認知症の絵画展」を開き、医師、看護、介護関係者とともにその人の暮らしに即した関わりについてのトークイベントも同時開催する予定でした。しかし、コロナ禍のため延期となりました。コロナの感染拡大が落ち着きましたら、開催したいと思っています。

 組織の活動は、ホームページやフェイスブックでお知らせしますので、ぜひ、アクセスしていただけますと幸いです。今後も、多彩な活動を通して、がんとともに生きる社会の納得度、完成度の向上に寄与していきたいと考えていますのでよろしくお願いいたします。

NPO法人 わたしのがんnet

 2014年9月に設立。がんとともに当たり前の、そして変わらぬ暮らしを考えていくための情報を共有する活動をしている。どこの病院でもどこの地域でも家族でなくても、誰もが当たり前の社会の中で感じる「自分」の希望に沿う「場」の提供を目指す。

 「患者にしかわからない!」ではなく、わかり合うために何が必要かを共に考える。全国で語り合いの場やシンポジウムを開催したり、今では当たり前になってきたオンラインでの「がんカフェ」を開催したりしている。

ホームページ  http://www.my-cancer.net/

 このコーナーでは、公益財団法人 正力厚生会が助成してきたがん患者団体の活動を、リレー形式でお伝えします。

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公益財団法人 正力厚生会

 正力厚生会は1943年(昭和18)に設立され、2009年に公益財団法人となりました。「がん医療フォーラム」の開催など、2006年度からは「がん患者とその家族への支援」に重点を置いた事業を続けています。
 現在は、医療機関への助成と、いずれも公募によるがん患者団体への助成(最大50万円)、読売日本交響楽団弦楽四重奏の病院コンサート(ハートフルコンサート)を、事業の3本柱としています。
 これからも、より質の高いがん患者支援事業を目指していきます。
 〒100-8055 東京都千代田区大手町1-7-1 読売新聞ビル29階
 (電話)03・3216・7122   (ファクス)03・3216・8676
  https://shourikikouseikai.or.jp/

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