歌手 太田裕美さん
一病息災
[歌手 太田裕美さん]乳がん(1)以前から気付いていた右胸の「しこり」 痛み始め、ポコンと…
ピアノ弾き語りの「雨だれ」で1974年にデビューし、翌年には「木綿のハンカチーフ」が大ヒット。この曲は今でも若いミュージシャンにカバーされ、自身も歌い続ける「宝物」になった。
ヒット曲に恵まれた歌手生活は2019年に45周年。特別な年として、新しいアルバムの発売や大きな記念コンサートなどに気力を充実させていた。
元々病気とは無縁で、病院嫌いの気持ちもあって、検診は受けてこなかった。今思えば、右胸にしこりがあるのは以前から気付いていたが、気にせずに過ごしてきた。
ところが、痛みを感じるようになり、改めて見ると、ポコンと出て大きくなっている。「マズイかもしれない」。コンサート活動が一段落したこの年の5月に病院を受診した。
超音波検査の結果を見た医師が「ちょっと気になる」と組織を採取。1週間後に受診すると、「間違いない」と乳がんを伝えられた。「ある程度、覚悟はしていたので、まあしょうがない」と冷静に受け止めた。気になったのは仕事のスケジュールで、「仕事を続けながら治療できる」と言われて、ひと安心。ただ、詳しく検査をして、初期ではないとわかった。
家族に知らせると、長男からは「5年生存率を調べたよ。ちゃんと治療すれば大丈夫」というメールが届いた。動揺しながらも安心の材料を家族で確かめた。
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歌手 太田裕美 さん(66)
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