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山中龍宏「子どもを守る」

医療・健康・介護のコラム

なぜ赤ちゃんを「洗濯機の上」に置くのか?…同じ転落事故が続くわけ

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「第1子」「父親」で多く発生

 転落の状況を詳しく分析すると、「第1子で初めての子育て」「いつも赤ちゃんと一緒にいるわけではない父親」「お風呂に入れるための準備中」という条件で多く起きていることがわかります。

 これらに対応するためには、初めてのお子さんを育てている保護者を対象とした育児教室で、洗濯機やテーブルの上に赤ちゃんを置くと転落するという情報を提供し、お風呂に入れる前の準備は、赤ちゃんを風呂場に連れていく前にしておくことを勧めます。こうした事故は、生後1か月くらいの赤ちゃんでも起こっていますので、生まれる前の育児教室の場で、主にパパ向けに知らせるといいと思います。一度聞いておけば、多分、忘れることはないと思います。

事故を防ぐには、蓋の構造を変える必要

 また、製品については、いわゆるアフォーダンスの問題と考えれば理解しやすいと思います。アフォーダンスはデザインの領域で使われている言葉で、「何も説明しなくても、体験に基づいて取り扱うことができること」を指す言葉です。

 洗濯機の蓋部分は、乳児を寝かせることができる広さがあり、汚れている可能性がある床から離れていて白く清潔感があり、平らで安定感があるように思わせます。そこで、タオルやおむつ、着替えの準備、湯加減の調整などでバタバタしている父親が、とっさに洗濯機の上に赤ちゃんをのせてしまうのです。であるならば、洗濯機の蓋の構造を変えて、赤ちゃんをのせにくい蓋、あるいはのせられない蓋、のせても転落しないような蓋を開発すればいいのです。(山中龍宏 緑園こどもクリニック院長)

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山中 龍宏(やまなか・たつひろ)

 小児科医歴45年。1985年9月、プールの排水口に吸い込まれた中学2年女児を看取みとったことから事故予防に取り組み始めた。現在、緑園こどもクリニック(横浜市泉区)院長。NPO法人Safe Kids Japan理事長。産業技術総合研究所人工知能研究センター外来研究員、キッズデザイン賞副審査委員長、内閣府教育・保育施設等における重大事故防止策を考える有識者会議委員も務める。

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