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常喜眞理「女のココロとカラダ講座」

医療・健康・介護のコラム

胸焼けや口の中の酸っぱさ…胃液が食道に逆流 胃袋の入り口は加齢で緩む

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空腹でキリキリ痛み、食後は胃もたれ

胸焼けや口の中の酸っぱさ…胃液が食道に逆流 胃袋の入り口は加齢で緩む

 40歳代半ばのEさんは、みぞおちが痛むと来院された。2週間ほど前から、おなかがすくとキリキリ痛み、食後も胃がもたれてあまり食欲もないという。他には体調不良もなく、診察の結果、逆流性食道炎が疑われた。

 胃から分泌される胃液が食道に逆流して起こす疾患だ。食道と胃のつなぎ目には下部食道括約筋という筋肉があり、胃袋の入り口を閉じる役割があるが、年齢とともに筋肉の緩みができて締まりが悪くなりやすい。

 緩くなってしまい胃が少しせり上がってしまう場合もある。この状態を食道 裂孔(れっこう) ヘルニアという。もともとの体質のほか、年齢による括約筋の緩みに加え、お腹の内臓脂肪により胃が持ち上がることなどが原因となる。

粘膜の見た目は問題ないことも

 胃液が食道に逆流すると、胸やけ、 呑酸(どんさん) と言われる口の中が酸っぱい感じや食後の胃もたれ、声がれなどさまざまな症状を生じることがある。診断は内視鏡検査で食道粘膜の傷の具合により悪化の程度を評価する。ただし厄介なことに内視鏡による診断結果と症状の程度が合わないことがしばしばある。つまり胸やけや胃もたれがひどいのに、内視鏡検査でなんでもないと言われることがあるのだ。

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常喜 眞理(じょうき・まり)

 家庭医、医学博士
 1963年生まれ。東京慈恵会医科大学卒業。消化器病学会専門医、消化器内視鏡学会専門医・指導医、内科学会認定医、日本医師会認定産業医。院長を務める常喜医院(内科、皮膚科)での診療のほか、慈恵医大新橋健診センターでは診療医長として健康診断(人間ドック)の内科診察を行い、婦人科や乳腺外科の診断を担当する。様々な大手企業の産業医でもあり、職場におけるメンタルヘルスのサポートを長年行っている。著書に『オトナ女子 あばれるカラダとのつきあい方』(すばる舎)、『お医者さんがやっている「加齢ゲーム」で若返る!』(さくら舎)。現在、BS-TBS「Together」に準レギュラー出演中。

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