文字サイズ:
  • 標準
  • 拡大

田村専門委員の「まるごと医療」

医療・健康・介護のコラム

軽症の救急患者にはかかりつけ医が対応する体制作りを 全国自治体病院協議会が要望

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック
軽症の救急患者にはかかりつけ医が対応する体制作りを 全国自治体病院協議会が要望

病院勤務医の長時間労働是正を求め

 かかりつけ医機能を持つ診療所には、休日や夜間を含めて自院の軽症救急患者にしっかり対応してもらい、大病院は本当の救急患者を受け入れる救急体制の構築が不可欠だ――。全国自治体病院協議会の小熊豊会長は5月27日の記者会見で、かかりつけ医が自院の軽症患者の救急対応にあたる役割分担の必要性を強く訴えた。

 5月18日に開かれた自治体病院議員連盟総会での説明や国に行った要望などに基づき説明した。

 要望ではまず、新型コロナウイルス感染症への対応について、引き続き財政支援を求めるとともに、国から求められているワクチンの接種については、自治体病院の当然の責務として協力することを説明した。

 新型コロナの対応では、地域の公立・公的病院の果たす役割が改めて見直されていることも背景に、公立・公的病院の統廃合が焦点のひとつになっている地域医療構想については、拙速な期限の設定をすることなく、個々の病院や地域の事情に即した柔軟な取り扱いをすることなどを求めた。

 また、医師確保、偏在解消について、地域ごとの診療科別必要医師数について更に精緻(せいち)な推計を行ったうえで、医師を地域に配置する施策を確立することを求めた。医学部入学定員についても、地域に必要な医師が十分に確保されるまで、地域の実情に応じて地域枠の必要数を知事が別途要請できるようにすることなども求めた。

診療所にも夜間・休日を含めたかかりつけ医としての役割求める

 医師の長時間労働是正のための上限規制が2024年度に開始されるのを前に、今年度から体制整備に向けた取り組みが本格化する。小熊会長は記者会見で、長時間労働が常態化している病院勤務医の働き方改革のためには、救急医療体制の改善が必要不可欠であると述べた。

 小熊会長は、「軽症患者の病院救急外来の受診が、勤務医の時間外労働を増やしているのは紛れもない事実。かかりつけ医が休日や夜間も自院の患者に対応できる体制を構築することが必要だが、この体制構築が不十分だと考えている」などと説明した。

 そのうえで、「かかりつけ医と称するならば、自院の患者の夜間・休日にもある程度対応をすべき体制を構築していただきたい。夜間・休日診療所などにも積極的に出向いて患者のトリアージを行い、病院は入院して対応が必要な救急患者を受け入れる体制作りが必要だ」などと訴えた。

 小熊会長は、働き方改革を考えなければならないほどの医師の過酷な労働によって、我が国の医療は維持されてきたとして、それを改善するためには、診療所と病院がそろって救急のあり方を考えていくことが必要であると強調した。

1 / 2

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

tamura-yoshihiko_profile

田村 良彦(たむら・よしひこ)

 読売新聞東京本社メディア局専門委員。1986年早稲田大学政治経済学部卒、同年読売新聞東京本社入社。97年から編集局医療情報室(現・医療部)で連載「医療ルネサンス」「病院の実力」などを担当。西部本社社会部次長兼編集委員、東京本社編集委員(医療部)などを経て2019年6月から現職。

田村専門委員の「まるごと医療」の一覧を見る

コメントを書く

※コメントは承認制で、リアルタイムでは掲載されません。

※個人情報は書き込まないでください。

必須(20字以内)
必須(20字以内)
必須 (800字以内)

編集方針について

投稿いただいたコメントは、編集スタッフが拝読したうえで掲載させていただきます。リアルタイムでは掲載されません。 掲載したコメントは読売新聞紙面をはじめ、読売新聞社が発行及び、許諾した印刷物、読売新聞オンライン、携帯電話サービスなどに複製・転載する場合があります。

コメントのタイトル・本文は編集スタッフの判断で修正したり、全部、または一部を非掲載とさせていただく場合もあります。

次のようなコメントは非掲載、または削除とさせていただきます。

  • ブログとの関係が認められない場合
  • 特定の個人、組織を誹謗中傷し、名誉を傷つける内容を含む場合
  • 第三者の著作権などを侵害する内容を含む場合
  • 企業や商品の宣伝、販売促進を主な目的とする場合
  • 選挙運動またはこれらに類似する内容を含む場合
  • 特定の団体を宣伝することを主な目的とする場合
  • 事実に反した情報を公開している場合
  • 公序良俗、法令に反した内容の情報を含む場合
  • 個人情報を書き込んだ場合(たとえ匿名であっても関係者が見れば内容を特定できるような、個人情報=氏名・住所・電話番号・職業・メールアドレスなど=を含みます)
  • メールアドレス、他のサイトへリンクがある場合
  • その他、編集スタッフが不適切と判断した場合

編集方針に同意する方のみ投稿ができます。

以上、あらかじめ、ご了承ください。

最新記事