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#コロナ禍の口腔ケア(上)唾液に抗菌物質…マッサージで分泌促し感染症予防を
6月4日から10日は「歯と口の健康週間」。コロナ禍でおろそかになりがちな 口腔 ケアを見直そう。
マスク生活で、口が乾いていないだろうか。マスクをいつもつけていると、会話や口を動かすことが少なくなり、唾液が減って口の中が粘ついてくる。「唾液は、感染症の予防に重要な役割を果たします。しっかり分泌させましょう」。福岡県歯科医師会の専務理事川端貴美子さん(50)は力を込める。
唾液中には、感染症を予防する抗菌物質が含まれている。中でも「IgA抗体」は、さまざまな病原体が人の粘膜に付着するのを防ぐ働きがある。
分泌を促すには、食事をよくかみ、水分補給をしっかりすることや、鼻呼吸を意識することが大切だ。唾液中のIgAは、ストレッチや有酸素運動をしたり、発酵食品や食物繊維を取ったりすることで増える。
川端さんのお勧めは、唾液腺のマッサージ。顔には耳下腺、 顎下 腺、舌下腺と呼ばれる大きな唾液腺があり、そこをマッサージで刺激することで、分泌を促すことができるそうだ。
唾液を増やすだけでなく、歯磨きや口の中の掃除などで口の衛生を保つことも、免疫力を高めることにつながる。新型コロナに効果があることは証明されていないものの、口内の歯周病菌などの細菌が減ると、風邪やインフルエンザなどの感染症にかかるリスクを減らせることが明らかになっているという。
川端さんは「病気は口から、健康を守るのも口から。口を清潔に保つことで、健やかな毎日を過ごしてほしい」と話す。
耳下腺 耳の横に手を当て、後ろから前へ円を描くようにマッサージする
顎下腺 顎の骨の内側の軟らかい部分に指を当て、耳の下までの5か所くらいを押す
舌下腺 両手の親指をそろえて顎の真下に当て、舌を突き上げるように押す
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