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森本昌宏「痛みの医学事典」

医療・健康・介護のコラム

筆者も経験した身悶えする痛み「尿路結石症」…チョコレートは要注意

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 もう20年も前のことではあるが、「尿路結石症」による痛みに苦しんだ経験がある。背中の鈍い痛みと血尿とを自覚して泌尿器科を受診したところ、「レントゲン検査で腎臓に石がありますね、1週間後に体外衝撃波結石破砕術(ESWL)を受けてください」と指示された。しかし、その1週間後の受診日を待たずに、数日後、突如そいつはやってきたのだ!!

搬送先に勤務の妻から受けた「持続硬膜外ブロック」で

筆者も経験した身悶えする痛み「尿路結石症」…ホウレンソウ、チョコレートは要注意 コーヒー、アルコールはリスク減!?

 ちなみに、尿路とは腎臓で作られた尿を体外に排出する経路のことであり、腎臓~尿管~ 膀胱(ぼうこう) ~尿道を指す。私の場合には腎臓にあった石が尿管に落ち込んだ。当時、私は、弟が開く医院(森本医院・大阪市天王寺区)で週に1度、診療を担当していたが、その最中に激痛に襲われたのである。「身 (もだ) えするほど、気が遠くなるほどの」痛みに、である。通常の鎮痛処置ではいかんともし難く、急きょ診察を中止して救急車を依頼した。長時間待っていただいている患者さんの視線を感じつつ担架で運びだされ、M病院(大阪市住之江区、当時、妻が麻酔科医として働いていた)へと搬送されることになった。救急車は阪神高速道路を急ぎ、約10分程度の道のりではあったが、道路の継ぎ目からの振動に同期して (すさ) まじい痛みが起こり、数時間にも感じられたものである。

 M病院に到着後、妻が背中から 硬膜外腔(こうまくがいくう) (脊髄の背側にある空間)にカテーテル(細い管)を挿入、局所麻酔薬を持続的に注入する「持続硬膜外ブロック」を開始したところ、痛みがスーッとうそのように消えた。地獄で仏たぁこのこった。続いてのESWLもまったく痛みなく受けることができたのである。硬膜外ブロックって、ほんとすごい!

30年間でほぼ倍増

 尿路結石症は確実に増加している。この30年間でほぼ倍増し、その生涯での 罹患(りかん) 率は男性が約15%、女性では約7%と考えられている。痛みと血尿とを主症状とするが、これらの症状なしに経過し、健診や人間ドックなどで顕微鏡的血尿を指摘され、CT(コンピューター断層撮影)や超音波検査で石の存在を発見される「無症候性尿路結石症」も多い。尿路結石症での痛みの多くは片側性で、背中側( 肋骨(ろっこつ) 脊柱角)に発生するが、尿管結石ではこれに加えて下腹部、 鼠径(そけい) 部にも痛みを生じる。

 結石の成分は、シュウ酸ならびにシュウ酸カルシウムが約80%を占め、尿酸やシスチン結晶によるものが10%、まれなものとして代謝異常によるキサンチンなどがある。発症の誘因としては、食生活の偏りや運動不足が考えられる。私も運動不足ではあった。

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森本 昌宏(もりもと・まさひろ)

 大阪なんばクリニック本部長・痛みの治療センター長。
 1989年、大阪医科大学大学院修了。医学博士。同大学講師などを経て、2010年、近畿大学医学部麻酔科教授。19年4月から現職。日本ペインクリニック学会専門医、名誉会員。日本東洋医学会指導医。著書に『ペインクリニックと東洋医学』『痛いところに手が届く本』ほか多数。現在、大阪市北区の祐斎堂森本クリニックでも診療中。

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