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佐藤純の「病は天気から」

医療・健康・介護のコラム

疲労、倦怠、うつ…長い梅雨がもたらす「雨ダル」に注意! 脱出するには?

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疲労で休職・退職した人は1.7%

 厚生労働省の「慢性疲労症候群の日常生活困難度調査事業」によれば、「気圧・季節の変化」という環境因子によって症状が悪化する例は、約半数を占めると報告されていますので、この患者さんのようなケースは珍しくないと言えます。倦怠感やだるさを、片頭痛や緊張型頭痛あるいは首・肩のこりにともなう症状として訴える人も多いのですが、最近は、頭痛がなくても、これらの症状を抱える人は増えてきている印象があります。疲労や慢性疲労の研究は進展していて、分子神経メカニズムにおいても研究が進んでいますので、近い将来、環境ストレスで悪化する仕組みについても解明される日が来ると思います。

 1999年に厚生省(当時)が実施した15~65歳の一般地域住民4000人を対象に実施した疲労の疫学調査(有効回答3015人)では、「現在、疲れやだるさを感じていますか?」という質問に対し、約6割が「感じている」と答えています。さらに驚くべきことに、その35.8%の人が半年以上続く慢性的な疲労を感じていて、そのうち1065人について調べてみると、64人(6.0%)は学校や会社を休むことがあり、18人(1.7%)は休職・退職していると答えていました。雨ダルさんは弱い人でも怠け者でもありません。気圧変化や気温差がもたらすこのような症状は、自律神経に作用して表れるものなので、誰の身にも起こりうる、とてもありふれたものなのです。

 雨ダルさんは気温の変化に敏感で、体を活動的にする交感神経が過剰に優位になって血管が収縮し、血流が悪くなってしまったり、逆に副交感神経の活動が有意になって、疲労感やうつ気分を感じたりしてしまいます。

 そこで、雨ダルさんにぜひ実践していただきたいのが、自律神経を整えるための入浴法です。シャワーだけですまさずに、ぬるめの湯(38~40度)に10~15分程度つかることをお勧めします。体温を上げて汗をかくことで、自律神経の乱れが少しずつ整い、雨ダル症状が起きにくくなります。

 近年は地球温暖化が進み、世界中で異常気象が多発しています。今日はまだ雨ダルさんじゃなくても、明日は雨ダルさんになるかもしれない……。そんな時代になってきたと、この長い梅雨の季節に接して思うのです。(佐藤純 愛知医科大学学際的痛みセンター客員教授)

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佐藤 純(さとう・じゅん)

 愛知医科大学医学部学際的痛みセンター客員教授。中部大学教授。
 1958年、福岡県久留米市生まれ。東海大学医学部卒業後、名古屋大学大学院医学系研究科で疼痛とうつう生理学、環境生理学を学ぶ。同大学教授を経て、現職。2005年より、愛知医科大学病院痛みセンターにて、日本初の気象病外来・天気痛外来を開設。

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