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健康と経営を考えるシンポジウム、オンラインで開催
健康経営に取り組む企業や健保組合などでつくる「健康と経営を考える会」の第7回シンポジウムが13日、国会議員、医師、行政、企業、健保の担当者ら10人が参加して開催された。オンラインで中継され、約400人が視聴した。
今回のテーマは「健康経営」×「明るい社会保障改革」。冒頭、明るい社会保障改革推進議員連盟顧問を務める世耕弘成自民党参院幹事長が「技術の進化によって健康増進が進み、新しいヘルスケア産業が起こり、社会保障財政が安定していくという流れを作っていきたい」とあいさつした。
前半の基調講演では、経済産業省と東京証券取引所が共同で選定する「健康経営銘柄」に7年連続、「健康経営優良法人」に5年連続で選定されている花王の沢田道隆会長が、同社の取り組みを紹介。社員の健診データの分析や部署ごとの取り組みをまとめた「花王グループ健康白書」を発行するなど健康経営の見える化を進め、社員の二次健診受診率が19年度には94.9%に達したことや、内臓脂肪がたまりにくくなるように開発した「スマート和食」を社員食堂で提供し、3か月間、食べ続けた社員の体重や内臓脂肪が低下したことなどを報告した。
「健康の見える化」さらに進める必要
後半のパネルディスカッションでは、今村聡・日本医師会副会長が「健康管理は会社の中でも個人任せになってきた。健診で数値に問題があった人をきちんと医療につなげていくバックアップを、企業は強化する必要がある。医師会は、受け入れる医療機関の情報を企業や健保組合に紹介し、共有していくことが大事だ」と話し、大企業だけでなく中小企業にも健康経営の考え方を浸透させていく重要性を指摘した。
続いて、花王の沢田会長が「これからは健康経営の第2ステップに入る。働き方が多様化してきたことで、社員の健診結果を積み上げるだけではデータの活用法が見えなくなってくる。このタイミングで、日本の技術力で『健康の見える化』がステップアップするよう、社会のうねりを起こしていく必要がある」と強調した。
さらに、シンポジウムを共催する医療法人社団「同友会」の高谷典秀代表が「20年度から始まったフレイル検診は75歳以上が対象だが、定年の引き上げにより、今後は企業でのフレイル対策の必要性が出てくる」と健診の新たな方向性を解説した。
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