ペットと暮らせる特養から 若山三千彦
医療・健康・介護のコラム
生涯の半分 9年間をペットと暮らせる特別養護老人ホームで過ごした猫…チョロ君の旅立ちに思う
私が経営する、ペットと一緒に暮らせる特別養護老人ホーム「さくらの里山科」で9年間暮らした猫のチョロ君が、先月、虹の橋へと旅立ちました。18歳。猫としてはかなりの長寿ですから、大往生と言えると思います。
チョロ君は、さくらの里山科を設立した2012年の春に、飼い主である老夫婦と同伴入居しました。ホームでも、お二人にかわいがられ、幸せに暮らしていました。しかし、ご主人は1年後に、奥様は2年後に、相次いで亡くなってしまいます。さぞ寂しかったでしょうが、その時点で、もうホームがすみ慣れたわが家になっていました。同じユニットで暮らす入居者や職員たちもチョロ君にとって家族でした。だから、すみ慣れたわが家で、家族と一緒にそのまま暮らし続けることができ、とても落ち着いていました。
チョロ君は、ユニットに最初に入居した猫であり、うちのホームで入居者と同伴入居した最初の猫でした。その後、同じユニットに、猫の祐介君が飼い主と同伴入居してきます。また、保護猫(保健所から引き取られた猫)のタイガとカッチャンもやってきました。チョロ君は、次々と増えていく猫の家族たちを優しく迎え、仲良く暮らしていました。チョロ君、タイガ、カッチャンの3匹が団子のように丸くなってくっついている姿は、ユニットの名物でした。
人懐こい性格は、入居者にも愛されていました。入居者が抱きしめて話しかける光景はよく見られました。ソファに座る入居者の隣にぴったりくっついて眠っていることも多かったです。飼い主さんがいなくなっても、大勢の入居者にかわいがられ、幸せだったと思います。そして、幸せに過ごす姿や雰囲気が、大勢の入居者を癒やしていました。
ホームに入居した当初の体重は10キロオーバーでした。ちょっと、いえ、かなり太っていたのです。高齢の方が飼っている犬や猫は太りすぎてしまうことが多いんですよね。ホームに入ってからは、職員が食事コントロールをして、8キロ以下まで減量することに成功しました。それが長生きした理由の一つだったのかもしれません。まあ、それでも大変大きな猫だったのですが。
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人生とニャン生
元介護士
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コラムを読んでいて心がホッコリしました。入居者の方も、大切なわが子のようなペットと一緒に入居できるなんて、本当にすてきな施設だと思います。今は、大勢の方がペットと一緒に暮らす時代ですし、このような施設がたくさんあったら、入居者の方もペットも寂しい思いをしませんし、人生、“ニャン生”を最期まで楽しく過ごせると思います。飼い主、ペットたちは、すてきな人生、ニャン生を送れたんだなと、うれしく思いました。スタッフの皆様、これからも、すてきな施設で頑張ってください。元介護士の一人として応援しています。
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うらやましいです。
ライフ
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介護に携わる仕事をしている者です。私自身、犬や猫など動物が大好きで、ペット同伴の施設がとてもうらやましいです。「さくらの里山科」さんのような特養等がたくさんできればよいと思いますし、希望です。終活で仕方なく特養等の施設に入居することで、家族同然に過ごしていた猫や犬たちと離ればなれになる利用者を見てきました。離ればなれになったペットたちは、保護されれば幸せな方なのかもしれません。現実には悲しい出来事もあります…。犬や猫が好きな入居者にすれば癒やしになるでしょうし、脳の活性化にもつながると思います。天国に旅立ってしまったチョロ君たちのご冥福(めいふく)をお祈りします。
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素敵過ぎます
シロ
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ペットと一緒に入居できる所って少ないと思うんです。入居者が亡くなられた後も、ペットを家族?に引き取ってもらうのではなく、施設で「猫生」を全うできることは、入居者の心のケアにもスタッフの癒やしにもなり、幸せなことですね。頑張って続けてくださいね。
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