文字サイズ:
  • 標準
  • 拡大

産業医・夏目誠の「ハタラク心を精神分析する」

医療・健康・介護のコラム

デジタルが苦手な40歳代後半“ぶら下がり社員”がいよいよ追い込まれていく

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

経験よりデータ重視、英語も基本の時代へ

 彼は入社同期で友人の中野次郎さん(44歳、課長)に相談しました。

田所さん:元気か?

中野さん: 田所、しんどそうだな。

田所さん:経理に移ってから難しいソフト操作が増えて大変だよ。

中野さん:こっちもパソコン操作が基本だから目が疲れるし、肩が凝る。若手はスイスイ操作している感じだよね。なんだかわけもなく腹が立つ。

田所さん:「今どきの若者は営業戦略が分からない、ニーズ把握ができない」と言っていられたころが懐かしい。今は彼らに教えてもらわないとパソコンの操作も満足にできないんだから。

中野さん:世の中が変わって、俺たちは会社にしがみついている「ぶら下がり社員」扱いだよな。

田所さん:経験や勘みたいなものから、データで判断する時代になったからね。

中野さん:そうだよな。おまけにグローバル競争になって、英語は必須だから、その点でも達者な若手の方が仕事はできるんだ。

田所さん:お前も努力はしたんだろう。

中野さん:必死でやってきて、なんとかついて行ってるかな。

「戦略を立てて」と友人はアドバイス

田所さん:俺は異動を希望しようかと思っている。産業医にも相談するつもりだ。

中野さん:わかるよ。景気が良い時は、産業医が行う助言をすんなり受け入れてくれると思う。健康上の問題でもあるからね。でも、いまは景気が良くないからなぁ。聞いた話だけど、戦力外の評価がついてしまうらしいよ。

田所さん:わかるよ。

中野さん:10年ちょっと前にIT教室に通って、基本から学んでおいたから、それが役に立っている気がするよ。時代は変わっているんだから、お前も戦略を立てていけよ。

田所さん:ありがとう。考えてみるよ。

3 / 4

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

natsume-prof

夏目誠(なつめ・まこと)

 精神科医、大阪樟蔭女子大名誉教授。長年にわたって企業の産業医として従業員の健康相談や復職支援に取り組み、メンタルヘルスの向上に取り組んでいる。日本産業ストレス学会元理事長。著書に「中高年に効く! メンタル防衛術」「『診断書』を読み解く力をつけろ」「『スマイル仮面』症候群」など。新著は企業の人事や産業医向けの「職場不適応のサイン」ウェブ書籍「メンタル・キーワード療法~5分でできる簡易セラピー」。
夏目誠の公式ホームページ」「精神科医マコマコちゃんねる - YouTube

産業医・夏目誠の「ハタラク心を精神分析する」の一覧を見る

1件 のコメント

コメントを書く

デジタルが苦手な社員は20~30代でも

BannedAid

“中高年のぶら下がり社員”は高度経済成長期、バブル期、ポストバブル期、いつの時代にも存在した。日本型企業は働き手を“コストの安い労働力”の観点か...

“中高年のぶら下がり社員”は高度経済成長期、バブル期、ポストバブル期、いつの時代にも存在した。日本型企業は働き手を“コストの安い労働力”の観点からしか見ないから、若年期はコストに見合うが、中高年になると見合わないと考える。コストの分だけパフォーマンスが上がるような訓練をするかといえば、新入社員研修以来、放ったらかし。それで“ぶら下がり”などと言うのは経営者側の怠慢、傲慢、無能以外の何物でもない。デジタル能力については、中高年だけの問題ではない。今の20代、30代は自宅にPCを所有しない者が多く、持っている(使える)のはスマホだけという人も多いのだ。では、経営者はそういう社員を今後どう活用していくのか。それを説かねば意味がない。人口減少社会において、これまでのように百年一日のごとく“雇っては放ったらかし”の放漫経営をすれば、“社会にぶら下がり経営者”と呼ばれるのがオチである。

つづきを読む

違反報告

すべてのコメントを読む

コメントを書く

※コメントは承認制で、リアルタイムでは掲載されません。

※個人情報は書き込まないでください。

必須(20字以内)
必須(20字以内)
必須 (800字以内)

編集方針について

投稿いただいたコメントは、編集スタッフが拝読したうえで掲載させていただきます。リアルタイムでは掲載されません。 掲載したコメントは読売新聞紙面をはじめ、読売新聞社が発行及び、許諾した印刷物、読売新聞オンライン、携帯電話サービスなどに複製・転載する場合があります。

コメントのタイトル・本文は編集スタッフの判断で修正したり、全部、または一部を非掲載とさせていただく場合もあります。

次のようなコメントは非掲載、または削除とさせていただきます。

  • ブログとの関係が認められない場合
  • 特定の個人、組織を誹謗中傷し、名誉を傷つける内容を含む場合
  • 第三者の著作権などを侵害する内容を含む場合
  • 企業や商品の宣伝、販売促進を主な目的とする場合
  • 選挙運動またはこれらに類似する内容を含む場合
  • 特定の団体を宣伝することを主な目的とする場合
  • 事実に反した情報を公開している場合
  • 公序良俗、法令に反した内容の情報を含む場合
  • 個人情報を書き込んだ場合(たとえ匿名であっても関係者が見れば内容を特定できるような、個人情報=氏名・住所・電話番号・職業・メールアドレスなど=を含みます)
  • メールアドレス、他のサイトへリンクがある場合
  • その他、編集スタッフが不適切と判断した場合

編集方針に同意する方のみ投稿ができます。

以上、あらかじめ、ご了承ください。

最新記事