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ALS進行、別の病気の治療薬で遅らせる…慶応大などのチームが成功

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 全身の筋肉が衰える難病「筋 萎縮いしゅく 性側索硬化症」(ALS)の患者に別の病気の治療薬を投与する治験で、病気の進行を遅らせる効果を確認したとする研究成果を、慶応大などのチームがまとめた。20日、京都市で開かれている日本神経学会で発表した。

ALS進行、別の病気の治療薬で遅らせる…慶応大などのチームが成功

慶応大学三田キャンパス(東京都港区)

 チームは、ALS患者の血液からiPS細胞(人工多能性幹細胞)を作製し、神経細胞に変化させた。この細胞を使い、様々な病気に対する既存薬約1200種類の効き目を調べた結果、パーキンソン病の治療薬「ロピニロール塩酸塩」が、神経細胞の働きの悪化を抑えることがわかった。

 2018年から治験を始め、発症から5年以内で軽度のALS患者20人が参加した。その結果、1年間服用した患者は半年間だけ服用した患者に比べ、自分で歩けなくなるなど重症になるまでの期間が平均で6か月半延びたという。チームの岡野栄之・慶応大教授(生理学)は「国の審査機関と協議し、承認を目指したい」と説明している。

 日本ALS協会の岸川忠彦常務理事は「病気の進行を6か月以上遅らせることができれば画期的だ。少しでも早く患者に届くようにしてほしい」と話している。

 ALSに詳しい東邦大の狩野修教授(脳神経内科)の話「重要な成果だ。ただ過去20年以上で、次の段階の治験に進んだ多くの候補薬が有効性を見いだせなかった。期待をしながら、慎重に見守りたい」

 ◆ 筋萎縮性側索硬化症 =神経細胞が徐々に壊れ、筋肉が動かなくなる難病。発症後の生存期間は、人工呼吸器を使わない場合で2~5年とされるが、個人差が大きい。国内の患者数は約1万人。

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