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街で障害のある人と出会ったら~共生社会のマナー

医療・健康・介護のコラム

空き缶やゴミとエレベーター移動も…スタジアムに多いバリアはどう解消? 五輪・パラに向けて

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観戦者専用のエレベーターはまだ少ない

空き缶やゴミとエレベーター移動も…スタジアムに多いバリアはどう解消? 五輪・パラに向けて

車いす使用者の利用とゴミの搬送が重なり、エレベーターが大混雑することも

 全国を見れば、観戦者専用のエレベーターが設置してあるスタジアムはまだまだ少なく、車いす使用者や階段を使用するのが難しい人は、スタッフや事業者向けのエレベーターを利用することがあります。しかし、入口に標識があるわけではなく、分かりにくいことも多いのです。会場内の運営スタッフにも、エレベーターがどこにあるか知らされておらず、場所を聞いてもたらい回しにされた例も耳にします。また、こうしたエレベーターはスタッフや業者と一緒に使うため、帰宅時は非常に混雑し、空き缶やゴミと一緒に利用しなければならないこともあり、あまり気持ちのよい時間ではないと感じます。使用の時間帯を分けるなど、観戦者優先の仕組みを作りたいものです。

絵や文字の案内ボード 日本語がわからない人にも

 会場内外のアナウンスは、拡声器などを使った音声によるものが多いのですが、聴覚障害者など音声情報だけでは伝わらない人もいます。絵や文字を使用した案内ボードを設置するなど視覚情報も用いると、日本語が理解できない人も含め、全ての人への情報提供につながります。

 オリンピック・パラリンピックで使用する会場は、多様な人が使うことを想定した設備が整えられていますが、運用面の対策が不十分なら、結局、使いにくくなってしまいます。これは非常にもったいないことです。実際に使用する人のことを想像し、主催者、イベント会社、販売店などの関係者が共通意識を持ったうえで、どんな「おもてなし」が必要なのかを考えたいですね。(冨樫正義 サービス介助士インストラクター)

 このコラムでは、サービス介助士の学びから高齢の方や障害のある方のお手伝い方法をお伝えする他、認知症や災害時のお手伝い方法など、これからの生活で身に付けていただきたいことをご紹介していきます。

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街で障害のある人と出会ったら~共生社会のマナー

冨樫 正義(とがし・まさよし)

冨樫 正義(とがし・まさよし)
 1973年、埼玉県生まれ。桜美林大学大学院卒(老年学研究科修士号)。東洋大学国際観光学部非常勤講師。法律事務所、不動産関係会社、人事コンサルタント、専門学校講師を経て、現在、サービス介助士、防災介助士、認知症介助士などを認定・運営する団体「公益財団法人日本ケアフィット共育機構」(0120‐0610‐64)のインストラクターとして、年間50社以上の企業対象研修を担当するほか、企業のバリアフリー・ユニバーサルデザインのコンサルティングも行う。

平野 恵(ひらの・めぐみ)

平野 恵(ひらの・めぐみ)
 視覚障害と軽度の移動機能障害がある。2歳から4歳まで盲学校幼稚部、その後、小学校から高校まで養護学校(現在の特別支援学校)に通い、高校まで車いすを使用して生活をしていたが、大学入学後の訓練を経て、現在では白杖のみで歩行している。日本ケアフィット共育機構事務局に勤務。サービス介助士アドバイザー。

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