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田村専門委員の「まるごと医療」

医療・健康・介護のコラム

5月31日は世界禁煙デー コロナ下で禁煙の効用一段と

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京都大学病院禁煙外来 高橋裕子さんに聞く

5月31日は世界禁煙デー コロナ下で禁煙の効用一段と

 5月31日は世界禁煙デー。新型コロナウイルス感染症の世界的な流行下で、世界保健機関(WHO)は「たばこをやめるべき100以上の理由」の1番目に、喫煙者は重症化や死亡のリスクが高いことを掲げるなど、禁煙の重要性は一段と増している。コロナ下での禁煙の取り組みついて、日本禁煙科学会理事長で京都大学病院禁煙外来医師(特任教授)の高橋裕子さんに聞いた。

――コロナ下での2回目の世界禁煙デーを迎えます。禁煙をめぐる状況はいかがでしょうか。

 コロナが流行し始めた頃には、喫煙によってどんな影響がもたらされるのか情報の混乱がありました。その後、多くの研究をまとめたメタアナリシスの論文も出され、喫煙者は重症化のリスクが高いといった証拠が示されるようになりました。約1年がたって、コロナによる重症化を防ぐためにも、禁煙が大切であることが明確になったと言えます。

――禁煙外来を受診する人も増えているのでしょうか。

 コロナの流行によって大勢の方が禁煙外来に押し寄せているかというと、残念ながら、そうはなっていないのが現状です。はっきりした理由は分かりませんが、外出制限によって医療機関の受診そのものが抑えられている面があるのかもしれません。

――禁煙指導のやり方にも変化はありますか。

 京大病院の禁煙外来では、初診は対面受診ですが、2回目以降はオンライン診療で行うことが多くなっています。患者さんと直接会って話をすることができないことや呼気のCO(一酸化炭素)濃度測定ができないなどの面はありますが、逆にオンライン診療では、一人ひとりの患者さんにじっくり時間をかけることができる利点もあると感じています。

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田村 良彦(たむら・よしひこ)

 読売新聞東京本社メディア局専門委員。1986年早稲田大学政治経済学部卒、同年読売新聞東京本社入社。97年から編集局医療情報室(現・医療部)で連載「医療ルネサンス」「病院の実力」などを担当。西部本社社会部次長兼編集委員、東京本社編集委員(医療部)などを経て2019年6月から現職。

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