町田忍の昭和回想
回想サロン
汽車の旅 駅弁の友 土瓶の茶
昭和は遠くなりにけり--。銭湯や手描き看板をカメラにおさめ、お菓子のパッケージを収集するなど、庶民の暮らしを見つめてきた町田忍さんが、懐かしいあれこれをイラストにして回想します。みなさんも古いアルバムや本、新聞を引っ張り出し、町田さんのイラストと合わせて、昔を振り返ってみてはいかがでしょうか。 |
土瓶茶
手のひらに載るくらいの大きさの土瓶、駅弁のお供としてかつて使用されていた。正式名は「汽車土瓶」とか。明治22年(1889年)に当時の静岡駅で信楽焼の土瓶の静岡茶を入れて発売されたのが始まり、という説がある。
量産するため、ろくろ挽きから型を使った製法に移り、土瓶形から角形の茶瓶へと変わっていった。好評で後に瀬戸や益子、美濃などでも製造された。自宅に持ち帰り、一輪挿しなどにも利用できて喜ばれたという。昭和30年代まで使われていたそうだが、わたしは土瓶茶を飲んだことはない。
その後、写真のような合成樹脂製の容器入りのお茶が登場し、姿を消した。現在はペットボトルがお供だ。
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