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五輪サッカー会場への派遣、予定看護師の7割辞退…接種本格化で不足に拍車

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 東京五輪のサッカー競技が行われる茨城県立カシマサッカースタジアム(鹿嶋市)や練習会場で、選手らのケアに従事する看護師らが不足しかねない事態に陥っている。従事予定者の7割が辞退したためだ。県看護協会(水戸市)は、医療現場が新型コロナウイルス患者やワクチン接種の対応で多忙を極め、大会関連に人手を振り向ける余裕がなくなっているとみている。

状況が一変

 

茨城カシマスタジアム

 競技会場などの従事者は、大会組織委員会が募集している。県看護協会は組織委の要請で、募集の周知を担っており、2018年7月にはホームページに案内を出した。応募した看護師らは41人に達したという。

 しかし、県看護協会が今年4月22日、組織委に41人の状況を確認したところ、28人が辞退していた。従事の意向を持ち続けているのは、13人にとどまった。

 「コロナで状況は一変した。感染拡大で医療機関は人手不足。看護師は患者やワクチン接種の対応などに追われている」。県看護協会は大量辞退の背景をこう分析する。仕事を休んで競技会場などに出向くことについて、勤務先の医療機関などから了承を得られなかった看護師もいるという。

追加確保は困難

 

 組織委は日本看護協会に、看護師500人を競技会場などに派遣するよう要請している。新型コロナ対応や暑さ対策に必要だとしており、武藤敏郎事務総長が4月26日の記者会見で、要請したことを明らかにした。

 県看護協会には20日、日本看護協会から協力依頼の文書が届いた。現状よりも10人以上多く、「看護職の人員」を確保するよう求められたという。

 「厳しい状況」。県看護協会は26日、さらなる確保を確約することは難しいとの見解を書面で伝えている。

高齢者向けで顕在化 接種本格化で加速か

 

 一般高齢者を対象とした新型コロナワクチンの集団接種では、看護師不足がすでに顕在化している。県看護協会は2~4月、水戸市や阿見町など4市町から、計37人の求人に協力するよう要請され、休業中の「潜在看護師」を紹介した。

 県看護協会によると、水戸市は20人を求め、阿見町も2ケタの10人。つくばみらい市は5人、筑西市は2人だった。

 県看護協会は水戸市に対し、要請人数を超える30人を案内した。求人停止の依頼がなかったためだという。一方で、阿見町の要請は満たせず、5人しか紹介できなかった。

 県内では5月1日、古河市が在宅の高齢者を対象に集団接種を開始した。今後、ワクチンの供給量が増え、各市町村で接種が本格化する見通しだ。各地で多くの医療従事者が接種に携わることになり、看護師不足が加速する可能性もある。

 県看護協会によると、各市町村はホームページやハローワークで募集を告知し、看護師の確保を目指している。業者に募集業務を委託するケースもあるという。

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