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医療・健康・介護のコラム
皮膚のトラブル(16)ひどい日焼けはすぐに冷やして…バリア機能が弱い子どもの皮膚 紫外線対策を
皮膚のトラブルでは、大阪医科薬科大の森脇真一教授(59)に聞きました。次回からは「口の中の健康」を特集します。(聞き手・東礼奈)
半袖で外出する機会の増える5月、太陽の紫外線は急に強くなるため、紫外線を短時間で多く浴びると、ひどい日焼けが起こります。さらに日焼けを繰り返すと将来の皮膚の老化を早め、発がんリスクも高めるとされます。大人より薄い子どもの皮膚はバリア機能が弱いため、初夏から9月上旬にかけての紫外線対策はとても重要です。
子どもは知らない間に長時間、外遊びや水遊びに夢中になりがちです。晴れた日の午前10時~午後2時の紫外線は強いという意識を持ち、外出の際は帽子の着用や、日焼け止めクリームの使用をお勧めします。日焼けしたあとは皮膚が乾燥しやすいため、夜はしっかり保湿し、たっぷり睡眠をとることも大切です。
日焼け止めは子ども用か低刺激性で、使用感の良いものを選びましょう。日頃の外遊びではSPF15、PA++のもので十分ですが、真夏の炎天下に外出したり、日中に海や山で過ごしたりする場合はSPF40以上、PA+++以上のものが必要になります。海や川遊びではラッシュガードの着用も有効です。
ひどい日焼けを起こしたときは、やけどと同じなので、すぐに冷たいタオルか水で冷やしましょう。日焼けの範囲が広い、痛みがひどい、水ぶくれが生じた――という場合は、水分をしっかり取らせて、すぐに皮膚科を受診してください。
太陽の紫外線にはビタミンDの合成作用やリフレッシュ効果もあるので、日常生活では過度の紫外線防御は必要ありません。怖がることなく、うまく付き合うことで、健康的で楽しいアウトドアライフを送ることができます。
【略歴】
森脇真一(もりわき・しんいち)
皮膚科専門医。大阪医科大卒。京都大、浜松医科大などを経て2009年から現職。医学博士。
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