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医療・健康・介護のコラム

コロナで関心高まるエンディングノート…延命治療や介護、葬儀 書き示すことで納得

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「ノート」作り 自分も周囲も安心…希望の掘り起こし、確認の効果 エンディングノートに挑戦する(右から)柴山さん、青木さん、講師の保戸田さん(東京都江戸川区で)

エンディングノートに挑戦する(右から)柴山さん、青木さん、講師の保戸田さん(東京都江戸川区で)

 「項目がたくさんあって気が遠くなりそう。まだ死ぬことを考える気にもなれないし、書けるかしら」

 4月13日、元気なうちに延命治療の有無や葬儀の希望などを記しておくエンディングノートについて学ぶセミナーに参加した青木久枝さん(83)が漏らした。

 青木さんは東京都内で一人暮らし。要支援認定も受けている。めいの柴山淳子さん(55)が青木さんのもとに定期的に通い、掃除や買い物を手伝っている。この日も柴山さんが参加をすすめ、同席した。

 青木さんらに対し、講師の保戸田武さんは「エンディングノートは、最期にむけて準備しておくべきことを明確にし、自分自身や家族の不安を解消できるものです」と語りかけた。

 関心のある項目から書くことで、自分でも気付かなかった希望や、準備の優先順位を確認できるようだ。青木さんは「延命治療は希望しない。ノートを託す相手はめい。言われてみると、伝えておきたいことがあるわね」とうなずいた。

 柴山さんも「介護や見送り方の希望は伝聞ではなく、書き示してもらうと、家族やかかりつけ医も納得しやすい。死後の遺品整理も、ノートがあれば少しはスムーズにできそう」と話した。

コロナ下 関心呼ぶ

 新型コロナウイルスの感染拡大で、お盆休みや正月の帰省を見送る家庭が増えた。家族が集うことができず、介護や葬儀などについて話し合う機会が減る中、エンディングノートへの関心が高まっているという。

 ただ、注意点もある。延命治療の有無など書き記す内容によっては家族への配慮や、事前の理解が欠かせない。「エンディングノート普及協会」(広島県)では、周りの人と話しながら、必要であれば何度でも書き直すことを推奨している。

 また、エンディングノートに法的な効力はないことは覚えておきたい。例えば、相続配分を明記しても強制力はない。

 それでも、遺言書で財産分与について示し、エンディングノートに相続する子どもたちへのメッセージを記すといった形で、補助的に活用する手もある。相続を巡って、家族の間に感情的なしこりが生じるのを防ぐ一助になる。(平井翔子)

若いうちに着手お勧め

 優先して書き込む項目や、書き始めるタイミングなどのポイントについて、「エンディングノート普及協会」の赤川なおみ理事長に聞いた。

「エンディングノート普及協会」の赤川なおみ理事長

 市販のエンディングノートを開くと、人生の振り返りや資産など、多岐にわたる項目に驚くかもしれません。でも、関心がある項目から書き込み、自分に関係のないものは飛ばしても大丈夫です。

 意思表示ができなくなった時の家族の対応や相続を念頭に、書いた日付と自身の名前、介護や延命治療などの希望、加入している保険や不動産、投資状況などの資産情報を優先しましょう。一気に書こうとすると根気がいるので、日頃から共有したい希望などを思い出したらメモにしてノートに挟み込んでおき、後で清書するのもいいですね。

 元気なうちに書きましょう。認知症や病気が進行し、意思決定が出来なくなる可能性もあるからです。

エンディングノートとは、自分と家族の不安を減らすカギ 書ける範囲で書いてみよう

 実は、一人暮らしを始めて、自分で財産管理をしなければならなくなった時など、若いうちから着手するといいんです。就職でデジタル関係のパスワードが増えたり、家族ができてノートを託す相手が変わったりした時も、書いてみるのにいいタイミングです。

 エンディングノートは、人生計画のお供。「自分らしい生き方」と「自分らしい死に方」を実現するきっかけとして、気軽に手に取ってほしいと思います。(談)

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