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買い物の女性「緊急事態はピンとこない」、居酒屋で「昼飲み」の男性も…人出減らぬ福岡

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 新型コロナウイルスの8日の新規感染者が福岡県で初の500人台となり、感染拡大に歯止めがかからない。他の北部九州4県も同日軒並み最多を更新し、九州全体に広がるのは必至の情勢だ。12日に緊急事態宣言が発令される福岡市の繁華街は、最後の週末となった8日も多くの人出があった。医療関係者からは昼間の人の流れを抑制する対策を求める声が上がる。

■若者でにぎわう街

 

買い物の女性「緊急事態はピンとこない」、居酒屋で「昼飲み」の男性も…人出減らぬ福岡

居酒屋で「昼飲み」をする男性(手前)(8日午後3時46分、福岡市中央区で)=木佐貫冬星撮影

 8日夕、九州最大の繁華街の福岡市・天神。前日に緊急事態宣言の対象に追加されることが決まったばかりにもかかわらず、買い物を楽しむ若者らでにぎわった。化粧品を買いに来た福岡市南区の会社員女性(24)は「緊急事態と聞いてもピンとこなくなった。居酒屋に行くわけではないので大丈夫だと思う」と話した。

 宣言下では休業要請の対象となるカラオケ店前には、5人ほどのグループが受け付けを待つ姿もあった。

 一方、酒を提供せず営業時間を午後8時までとするか、休業を求められることになる飲食店には、「駆け込み」で訪れる人たちも。福岡市内は4月22日から県が午後9時までの時短要請を始め、大型連休明けの6日から午後8時に早まった。

 飲食店が集まる大名地区では「昼飲み」向けに営業時間を変更する店もあり、昼前に開店した居酒屋の店内は、午後4時過ぎには客席の3割ほどが埋まった。

 結婚式で来県していた名古屋市の自営業男性(42)は「飲みに行くのもこっそりと行かなければならない。もう自粛にも疲れた」と話し、ビールを飲み干した。福岡市中央区の会社員女性(50)は「宣言が始まる前に少しでもお酒を頼んで、店を助けたい」と話した。

 この店は12日以降、酒類の提供をやめ、午後8時まで営業する。代表の男性(34)は「売り上げの半分は酒類で、大きな痛手だ。どうなれば解除されるのか、ゴールを示してほしい」と訴えた。

■「若者の県外交流が要因」

 

 九州での感染は、東京や大阪から遅れて、まず玄関口の福岡県で4月上旬以降に拡大し、周辺の北部九州は4月中下旬に広がった。

 携帯電話の位置情報から滞在人口を推計するNTTドコモの「モバイル空間統計」(午後7時台)によると、福岡市内の時短要請が始まった4月22日と比べ、福岡県が宣言対象に追加された7日の人出は福岡市・天神が102%、小倉駅も104%と増加。8日も天神が90%、小倉駅は98%と微減にとどまった。

 佐賀、長崎、熊本、大分各県も大きくは減らず、7日は89~100%、8日は77~92%だった。

 佐賀県の山口 祥義よしのり 知事は、感染者が急増している状況を受け、7日、「大型連休中の帰省や若い方の県外での交流が要因となっている」と危機感をあらわにした。県は早くから県外との往来自粛を求めてきた。交流人口が多い福岡県への緊急事態宣言の発令について、山口知事は「ありがたいことだ。(感染者数などの)福岡の状況も見ながら対応していきたい」と語った。

県独自対策抑え込めず

 

 「厳しい措置を県民にお願いしたが、歯止めがかからない深刻な状況だ」。8日夕、記者会見した福岡県の白石博昭・保健医療介護部長は険しい表情を浮かべた。県は外出自粛などの独自対策を取ったが、感染が抑え込めずにいる。

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 4月22日に福岡市、25日に久留米市で飲食店の時短を要請。服部誠太郎知事が「対策の効果を見極めたい」とする間に感染者が増え、28日には400人を超えた。県は5月1日に「まん延防止等重点措置」を国に要請したが、6日に国からさらに強い緊急事態宣言の発令方針を伝えられた。県の感染状況については、4月16日の政府の分科会で、専門家から「大阪を想起させる急激な増加」と強い危機感が示され、尾身茂会長も「重点措置を打つタイミングの要件はそろっている」と述べていた。

 福岡市内の医師は「『第3波』までの経験から、関東や関西の感染拡大の2~3週間後には感染者が増えると想定できた。連休前に宣言を出すべきだった」と指摘。「夜だけでなく、昼間の人の流れも減らす必要がある」と訴える。

 服部知事は7日の記者会見で「批判はしっかり受け止めたい」と述べた。

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