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伊藤清世の「あれ?コレ 介護食 plus」

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チキンのリエット風…ポイントはペースト食をつくる工程

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 こんにちは。在宅訪問管理栄養士の伊藤清世です。

 今回は、食品の特徴を生かし、“とろみ調整食品”や‘ゲル化剤’を使用せずにできるペースト食をご紹介します。

 「ペースト状のお食事っておいしくない……」「ペースト状だからおいしくなくても仕方ない」。介護に携わっている方の中には、そう感じている方もいるのではないでしょうか。訪問先のご家庭や施設で「もっとペースト食をおいしく作りたい」という要望を受けることがあります。

 では、なぜペースト食がおいしくないといわれるのでしょうか。原因は様々ありますが、ペースト食をつくる工程に原因があることがあります。ペースト食は、多くの場合、食品をミキサーにかけるのですが、食品だけではミキサーが回らず、水分を加えます。水分が多いほど滑らかな仕上がりになりますが、出来上がりは水っぽくなってしまいます。そのゆるさを安定させるための“とろみ調整食品”や‘ゲル化剤’ですが、入れる量によっては人工的な粘度となり、食品そのものの味が変わってしまいます。

 ポイントは、とろみ調整食品などのつなぎやまとまりを出す食材と、滑らかさを加えるための油脂を含んだ食材を加えることです。

 今回は、市販のサラダチキンを使用し、フランス料理のリエット風に仕上げます。クリームチーズとマヨネーズを加えてミキサーにかけることで、まとまりがあり、かつ、滑らかに仕上がります。クリームチーズのかわりに、水切りしたヨーグルトでも代用できます。ミキサーにかける際に、サラダチキンを刻んでおくと、ミキサーに負担をかけずに 攪拌(かくはん) することができます。少量を作るときにはハンディータイプのブレンダーがおすすめです。

 ただし、食べる機能には個人差がありますので、食べる方の 嚥下(えんげ) 機能を確認してから提供しましょう。

[作り方]

(1) サラダチキンは1cm角くらいに切る。

(2) (1)と(A)の材料をミキサー(またはハンディータイプのブレンダー)に入れ、滑らかになるまで攪拌する。最初から強い攪拌にせず、少しずつ強さを上げていくとミキサーに負担をかけずに攪拌できます。

(3) 器に盛りつけて出来上がり。

※かむ力、のみ込む力には個人差があります。食べる機能を確認しましょう

(レシピ作成 在宅訪問管理栄養士 伊藤清世)

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