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6月にアンチエイジングの総会~老化細胞除く薬や世界一の長寿食などテーマ
日本抗加齢医学会の総会が6月に開かれるのを前に、総会の見どころを紹介するメディア向けセミナーが開かれ、加齢に伴い増加する老化細胞を死滅させる薬剤を研究する東大教授の中西真氏ら3人の研究者が最新の知見を紹介した=写真=。
生き物の細胞はストレスなどによってダメージを受け、ダメージが一定程度蓄積すると、増殖できない老化した細胞に代わる。老化細胞は加齢によって増え、これが炎症を引き起こすことで、老化を進行させると考えられている。中西教授は、老化した細胞が炎症を引き起こすのは「GLS1」という遺伝子のためだとして、この遺伝子の動きを止める「GLS1阻害剤」をマウスに投与する実験を行った。その結果、老化細胞は除去され、生活習慣病などの症状が改善されたという。
中西教授は「この実験をヒトにも応用し、老人に見られがちな病気を一網打尽にするような次世代型の医療を実現したい」と語った。
また、同学会・理事長で順天堂大大学院教授の堀江重郎氏が、「ポストコロナ時代の抗加齢医学の展望」と題して発表。「新型コロナウイルスを予防するワクチン開発に用いられている手法は今後、がん治療や再生医療など、さまざまな分野での応用が期待できる」などと述べた。
最後は、学会長を務める京都府立医大大学院教授の内藤裕二氏が総会の見どころを紹介した。総会は6月25日から27日まで京都で開催され、「腸内細菌と腫瘍」「エビデンスから健康食品を考える」「日本食と地中海食、どちらが世界一の長寿食か」などの講演やシンポジウム、セミナーが予定され、様々な角度からアンチエイジングにスポットをあてる。
詳しくは同学会のホームページ( https://site.convention.co.jp/21jaam/ )で。
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