田村専門委員の「まるごと医療」
医療・健康・介護のコラム
5月30日は「世界多発性硬化症の日」 関連団体が連携してオンラインイベント
中枢神経の免疫異常で視力、運動、感覚障害などを繰り返す
5月30日の「世界多発性硬化症の日」に合わせて、国内の関連7団体が連携して5月の毎週末、オンラインイベントを開催する。専門の医師らによる講演や対談などのほか、ライブ配信で患者からの質問を受け付ける会もある。主催者によると、今回のように多くの関連団体が連携してイベントを開催するのは今年が初めて。コロナ禍で患者会の活動が制限を受ける中、みんなで力を合わせて乗り切りたいという思いを込めたという。
https://www.mscabin.org/seminar
多発性硬化症(MS)は、免疫の異常によって中枢神経系(脳、脊髄、視神経)に障害が起きる病気だ。国の難病の一つに指定されている。
神経の軸索を覆う髄鞘(ずいしょう)が脱落する「脱髄」が起きて、その部分の信号がうまく伝わらなくなり、視力障害、運動障害、感覚障害など様々な神経症状が繰り返し起きるのが特徴だ。20~30歳代で多く発症し、男性よりも女性に多い。発症原因は不明で、根治治療はない。
YouTubeで1か月間 無料配信
「世界多発性硬化症の日」はMS国際連合(MSIF)と各国のMS協会が定めたもので、2020~22年のテーマは「connections(つながり)」。今回の連携イベントは、認定NPO法人「日本多発性硬化症協会」とNPO法人「MSキャビン」の呼びかけに、各団体(さっぽろ神経内科病院、全国多発性硬化症友の会、日本MSネットワーク、日本神経免疫学会、北海道医療センター)が賛同し実現した。
医学顧問の先生による感染症対策などについての対談や、ライブで患者からの質問に専門医が答える会、学会主催による学術的な講演、若手専門医による最新治療の話など、各団体の特徴を生かした内容を企画している。YouTubeチャンネルでの配信で、事前申し込みは不要。それぞれ配信後1か月間、無料で視聴できる。
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