なかさとみ「吉本芸人 卵子提供で2人のママに」
医療・健康・介護のコラム
卵子提供の契約直前「生まれる子のことを考えたら怖くなった」と涙で相談
養子縁組のように当事者の話を聞く場がない
養子縁組や精子提供の場合、研修会や自助グループなどで、養子縁組で育ったお子さんや、精子提供で生まれたお子さんから直接お話を聞くチャンスがあります。そのようなお話を聞いてもらえば、たくさんの方に「告知することの大切さ」を分かって頂けるのではないかと思います。しかし、卵子提供は残念ながらそのような場所がありません。私が頑張って作ろうと思っても、私の子供たちはまだ4歳と1歳で、自身の経験を語るには幼すぎます。
生まれる子供に思いをはせる 告知を強要しない
これから卵子提供を考える方に私が強く望むのは、A子さんのように必ず事前に「卵子提供で生まれてくる子供」に思いをはせていただくということです。
生まれた子供のアイデンティティークライシス(自己喪失)について、いまだに告知に踏み切れない親がいることは非常に残念に思います。ですが、「告知しないと、こんなひどいことが起こるぞ」と脅す、「告知しないとダメ」と強要する、「告知しない親はひどい親だ」と責める、この三つについては、当事者であっても非当事者であっても、どうかないようにしていただきたいなと思います。
卵子提供で親になるご夫婦が、心から告知の大切さを理解して、子供のことを思って告知してあげることが大切なのです。このような大切なことをすっ飛ばして、ただ親に「告知しろ」と迫っても全く意味がないのです。
告知とは、「今の時代は告知が当たり前な世の中だよね」とトレンドとして捉えるものでもなく、「告知しないと、ひどいことが起こるぞ!」と言われてするものでもなく、卵子提供を受けたい全てのご夫婦が、「告知してあげることの大切さ」についてしっかりと考えたうえで、してあげるものだということを、全ての人に知っていただけたらなと思います。(なかさとみ)
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