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認知症×発達障害 岡崎家のトリプルケア

医療・健康・介護のコラム

搬送先が見つからず、救急車を降りた夫…コロナ感染 我が家が直面した“医療崩壊”

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再検査で一転「陽性」

 翌日は熱が少し落ち着いたものの、その次の日は再び上昇し、せきもひどくなっています。日曜日だったので、休日診療をしている地元の病院に電話したところ「4時間待ち」と言われ、受診を断念。

 4日分の薬がなくなったところでようやく、隣街の基幹病院で再検査を受けられることになりました。このころから私も、新型コロナウイルスの症状といわれる味覚・嗅覚が鈍くなっているような感じがありました。

 LAMP法で行った2度目の検査は「陽性」。CT(コンピューター断層撮影)の画像では、両肺が即入院レベルの肺炎になっていたそうです。このまま入院かと思いきや、医師に「帰宅して、保健所からの次の指示を待ってください」と言われ、受け入れる病院が見つかるまで自宅で待機することに。この頃、ニュースでは「病床使用率が改善された」と言っていたのに、現実は厳しいようです。

綱渡りの自宅待機…酸素飽和度「94%」を行ったり来たり

 帰宅したヒロさんに保健所から、体調や濃厚接触者の確認などの電話がありました。高熱で意識はもうろう、息も切れ切れというのに、聞き取り調査は30分以上におよびました。

 40歳以上の陽性者に貸し出されるパルスオキシメーター(血中の酸素飽和度を測る機器)が届き、数値が94以下になったら、「すぐに救急車を呼ぶように」とのこと。一時、数値が95~94を行ったり来たりして、気が気ではありませんでした。

 コロナとわかったにも関わらず、治療らしい治療を受けられないまま、どんどん衰弱していくヒロさん。私は、味覚・嗅覚が完全になくなりました。

発熱8日目でやっと入院

 じっと待っていたら本当にヒロさんが命を落としかねないと感じ、「私も症状が出ているようで、子どもも抱えて不安……」と保健所に電話で切々と訴えました。それからしばらくして、「受け入れ先が見つかりました。30分後に迎えに行きます」との連絡が!

 運転手を含め、真っ白な防護服に身を包んだ2人が乗った民間の患者輸送車が迎えに来ました。1人が車から降りてきて、左手でヒロさんの荷物を受け取り、右手に握った消毒スプレーでヒロさんが触ったところを即座に消毒しています。SF映画で未知の世界に連れ去られるようなシーンに「このまま帰って来なかったらどうしよう……」と不安で泣きそうなるのをグッとこらえ、ヒロさんを見送ったのです。(岡崎杏里 ライター)

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認知症×発達障害 岡崎家のトリプルケア

岡崎杏里(おかざき・あんり)
 ライター、エッセイスト
 1975年生まれ。23歳で始まった認知症の父親の介護と、卵巣がんを患った母親の看病の日々をつづったエッセー&コミック『笑う介護。』(漫画・松本ぷりっつ、成美堂出版)や『みんなの認知症』(同)などの著書がある。2011年に結婚、13年に長男を出産。介護と育児の日々を送りながら、雑誌などで介護に関する記事の執筆を行う。岡崎家で日夜、生まれる面白エピソードを紹介するブログ「続・『笑う介護。』」も人気。

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日野あかね(ひの・あかね)
 漫画家
 北海道在住。2005年にステージ4の悪性リンパ腫と宣告された夫が、治療を受けて生還するまでを描いたコミックエッセー『のほほん亭主、がんになる。』(ぶんか社)を12年に出版。16年には、自宅で介護していた認知症の義母をみとった。現在は、レディースコミック『ほんとうに泣ける話』『家庭サスペンス』などでグルメ漫画を連載。看護師の資格を持ち、執筆の傍ら、グループホームで介護スタッフとして勤務している。

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1件 のコメント

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心配していました

ころころ

3月の掲載がなかったので心配していました。大変なことが続いて、つらかったことと思います。コロナ、すごい感染力にびっくりしています。私も特養に入所...

3月の掲載がなかったので心配していました。大変なことが続いて、つらかったことと思います。コロナ、すごい感染力にびっくりしています。私も特養に入所していた母を23日にコロナで亡くし、思わずコメントをしてしまいました。同じフロアで陽性者が一人出て、その翌日に母のほか4人が発熱。検査の結果、陽性。毎日、連絡はいただけましたが、病状は一進一退。ニュースでは、いろいろな薬を使って治療成績は上がってきていると聞いているのに、ヒロさんと同じく全く投薬などされていないと聞き、びっくり。後で聞くと「解熱剤は投与していたけれどやはり効かなくて」と言われ、二度びっくりしました。ヒロさんは発熱8日目で入院となりましたが、母は8日目に亡くなりました。家族全員で感染されたとのこと。回復しても症状は残るようですね。無理をせ、ず完全復活するまで待っています。

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