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宮脇敦士「医療ビッグデータから見えてくるもの」

医療・健康・介護のコラム

新型コロナ流行下で赤ちゃんや母親への予期せぬ「良い」影響とは

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34週未満の早産が30%減少 先進各国でも同様の傾向

 では、日本は、どうだったのでしょうか?

 私たちは、全国270以上の大規模病院から集めた入院データを分析しています。これは全国の入院の14%程度を占めるとても大規模なデータです。この入院データを使って、私たちは低出生体重の子どもの数が新型コロナウイルス流行初期にどのように変化したのかを、英国小児科学会の専門誌に報告しました(文献1)。

新型コロナ流行下で赤ちゃんや母親への予期せぬ「良い」影響とは

 その結果、2020年3~4月に、妊娠34~36週で生まれてきた赤ちゃんの数は15%減少しており、さらに妊娠34週より前に生まれてきた赤ちゃんの数は約30%も減少していたことがわかりました。

 妊娠34週より前の出産は、赤ちゃんの肺組織が未熟なため、生まれてくる赤ちゃんが自分で呼吸できない可能性が高い時期として知られています(新生児呼吸窮迫症候群)。この時期の早産が減少したことは、赤ちゃんにとって、とても良いことでした。私たちのデータでは死産の数は評価できませんでしたが、生まれた直後に呼吸をしていなかった赤ちゃんに行う治療(新生児仮死蘇生術)の件数は60%以上減少していました。

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宮脇 敦士(みやわき・あつし)

 2013年、東京大学医学部医学科卒業、医師免許取得。せんぽ東京高輪病院・東京大学医学部附属病院で初期研修後、東京大学大学院医学系研究科社会医学専攻にて、医療政策・応用統計を専攻し、19年に博士号取得。東京大学特任研究員、筑波大学研究員、日本学術振興会特別研究員、Harvard T.H. Chan School of Public Health 客員研究員などを経て、20年から東京大学大学院医学系研究科社会予防医学講座助教。大規模データを用いて良質な医療を皆に届けるにはどうすればよいかということを研究している。

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