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新・のぶさんのペイシェント・カフェ 鈴木信行

医療・健康・介護のコラム

全身の軟骨に炎症が起きる再発性多発軟骨炎 軟骨の炎症による激しい痛み 喉や耳にも発症

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 ここは、ある下町にあるという架空のカフェ。オーナーののぶさんのいれるコーヒーの香りに誘われ、今日もすてきなゲストが訪れて、話が弾んでいるようだ。(ゲストとの対話を、上下2回に分けてお届けします)

和久井秀典(わくい・ひでのり)さん

【今月のゲスト】
和久井秀典(わくい・ひでのり)さん

 18歳の時に再発性多発軟骨炎と診断される。咽頭軟骨に狭窄による気管切開。その後も、再発性多発軟骨炎に伴い、3回のがんをはじめ、腰椎や大腿(だいたい)骨、肋骨など多数の骨折、左耳失聴、視野狭窄、腎臓結石などを患う。2012年、再発性多発軟骨炎(RP)患者会の副代表に就任。指定難病の認定へ向けての活動などに従事。16年に結婚。  
再発性多発軟骨炎(RP)患者会ウェブサイト  https://www.horp-rp.com

再発性多発軟骨炎の和久井秀典さん(上)

別の病気で患者会活動を通じて知り合った妻と結婚

別の病気で患者会活動を通じて知り合った妻と結婚

 例年とは違った静かなゴールデンウィーク。そんな中、カップルがご来店された。お二人とも車いすを使っている。男性の方には、以前、あるイベントでお会いしたことがある。

 「ご無沙汰しています」

 彼の方から声をかけてくれた。再発性多発軟骨炎の病気を持つ和久井秀典さんだ。以前お会いしたのは5年ほど前だろうか。その後に結婚したと聞いている。

 「もしかして……?」

 「はい。妻です」

 彼は、はにかみながら答える。爽やかな夫婦だ。

気道が塞がるのを防ぐためチューブを留置

 いただいたご注文は、スタッフが厨房(ちゅうぼう)で準備を始めた。

 「最近、体調がすぐれないって、SNSに書いてありましたけど?」

 「そうなんですよ。右の鎖骨からあごにかけて、まあまあ大きめの腫瘍が見つかっちゃって」

 そう言いつつ、右手で首のあたりを押さえた。

 彼は病気のために様々な症状がある。多くの診療科にまたがって治療を受け続けている。

 「その辺りって……。確か発症した時も、首だと言っていましたよね?」

 「それは、まぁ、首というか、喉ですね」

 まだ10歳代だった30年ほど前、喉が絞めつけられるように呼吸が苦しくなり、病気がわかった。全身の軟骨に炎症を繰り返す難病「再発性多発軟骨炎」と診断された。

 喉元辺りの軟骨が炎症を起こし、気道を狭め、塞いでいたのだ。呼吸を確保するために、気管切開をして、気管にはチューブを入れている。

軟骨の炎症によって外耳道が狭窄

 その後も、軟骨の炎症が続いて耳の形が変わってしまった。外耳が腫(は)れ、外耳道が狭窄した。三半規管にも異常を来し、左耳を失聴した。さらに、薬の副作用で、左手の親指にがんができ親指を失うなど、様々な症状が表れた。

 「ステロイドの副作用で骨が弱くなり、腰椎が破裂骨折して痛みが取れないために、外に出る時は車いすが欠かせないんです」

 車いすはスティックで操作できる電動タイプを使用している。

 「呼吸機能が悪いので、普通の車いすは動かすことができません。痰(たん)の吸引のための重い機器も常に持ち歩かなければならないので、どうしても電動式なんですよ」

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鈴木信行(すずき・のぶゆき)

患医ねっと代表。1969年、神奈川県生まれ。生まれつき二分脊椎の障害があり、20歳で精巣がんを発症、24歳で再発(寛解)。46歳の時には甲状腺がんを発症した。第一製薬(現・第一三共)の研究所に13年間勤務した後、退職。2011年に患医ねっとを設立し、より良い医療の実現を目指して患者と医療者をつなぐ活動に取り組んでいる。著書に「医者・病院・薬局 失敗しない選び方・考え方」(さくら舎)など。


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