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「水田のエスカルゴ」業者廃棄で野生化か、大量発生しイネの苗を食い荒らす

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 滋賀県内のコメ農家に不安を与えているのが、県の指定外来種スクミリンゴガイ(ジャンボタニシ)だ。昨夏、野洲市や近江八幡市などを中心に大量発生。イネの苗を食い荒らし、被害面積は前年の7倍近い約20ヘクタールに及んだ。

「水田のエスカルゴ」業者廃棄で野生化か、大量発生しイネの苗を食い荒らす

ジャンボタニシと呼ばれるスクミリンゴガイ=県病害虫防除所提供

 南米原産の巻き貝で、体長2~7センチ。1981年に台湾から食用に輸入、各地で養殖された。「水田のエスカルゴ」などとPRされたが、販路が広がらず、業者の廃業に伴って野生化したらしい。県内では86年に野洲市で初確認されている。

 軟らかい草を好み、繁殖力が強い。寒さに弱く、多くは越冬できないが、2019~20年は暖冬で生き残ったとみられ、全国的にも九州を中心に大きな被害が出た。

 県によると、県内の被害は記録が残る15年以降、例年1~3ヘクタール、17年は10ヘクタール。これまでは農家が苗を植え直すなど個々に対処していたが、野洲市の農家らの要望を受けて県が昨年から対応に乗り出した。

 駆除には農薬や石灰の散布が効果的だが、県は、減農薬などをうたう「県環境こだわり農業推進条例」を施行しており、トラクターでジャンボタニシを踏みつぶす、環境への負荷が低い駆除剤を使用する――などの対策を提案。春から秋に水路や雑草に付くピンク色の卵塊を処分するのも有効だとしている。

 野洲市須原の農業の男性(72)は昨年、3・5ヘクタールの田の縁を中心に被害を受けた。「身近な生き物だったが、イネを食べるとは知らなかった。冬にトラクターで駆除したが、その効果がどこまで出るか」と案じる。県農業経営課は「研修会を開くなどして駆除方法の普及を図る」としている。

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