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大人の健康を考える「大人び」

医療・健康・介護のコラム

幸福長寿のすすめ(2)「半年で体重2キロ減」「青信号で渡りきれない」…フレイルの兆しに気をつけて

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  このシリーズでは、日本老年医学会の前理事長で、大阪大老年・総合内科学教授、楽木宏実さんに聞きます。(聞き手・山崎光祥)

幸福長寿のすすめ(2)栄養・運動 「フレイル」防ぐ

 高齢者の多くは加齢に伴って少しずつ体が弱り、要介護状態になります。しかし、その手前には、弱りながらも適切に手入れすれば機能を回復できる時期があります。亡くなる直前まで自立して暮らす「ピンピンコロリ」のカギを握る概念で、日本老年医学会は「フレイル」と呼んでいます。

 フレイルには、〈1〉半年間で意図せず体重が2キロ以上減った〈2〉ペットボトルの蓋を開けられないほど力が弱くなった〈3〉疲れやすくなった〈4〉横断歩道を青信号のうちに渡りきれないほど歩くのが遅くなった〈5〉積極的に運動していない――というサインがあります。3項目以上が当てはまればフレイル、1~2項目でも予備軍とされます。

 高齢者はこれらのサインを警戒する必要がありますが、75歳以上の後期高齢者は特にフレイルに該当する割合が上がります。栄養状態が悪い人、高度の肥満の人も要注意です。フレイルになった人は、3年以内に亡くなる確率が2・2倍、日常生活での自立度や移動能力が悪化する確率も、それぞれ2倍と1・5倍になるという研究結果があります。

 フレイルの予防や、体の機能の維持・改善のためには、たんぱく質やビタミンDなどの栄養素の摂取と運動の両方が重要です。家の中に閉じこもらないよう社会とのつながりを持ち続ける努力も欠かせません。誰かとスポーツクラブや旅行に行ったり、趣味を持ったりして体を動かす機会を意識的に作るのもお勧めです。

 「フレイルになってしまった」ではなく「戻していくぞ」と気持ちを切り替えることが大切です。

楽木宏実さん

【略歴】
 楽木 宏実(らくぎ・ひろみ)
 1984年、大阪大学医学部卒業。89ー90年、米国ハーバード大学、スタンフォード大学研究員。2004年、大阪大学大学院加齢医学助教授、07年から同老年・腎臓内科学教授。内科学講座の改組により15年10月から現職。

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