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医療・健康・介護のコラム

手術の後遺症で子宮口が塞がっていた! 次から次に病気判明も妊娠あきらめず

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手術の後遺症で子宮口が塞がっていた! 次から次に病気判明も妊娠あきらめず

 前回お話ししたように、Mさんは学生時代から重い生理痛、子宮内膜症等に悩まされ、子宮筋腫と卵巣 嚢腫(のうしゅ) の手術を繰り返し受けてきました。その結果、卵巣が「ボイルドエッグのよう」に焼かれ、周囲の卵に影響を与えてしまい、不妊症となりました。30代半ばで一念発起して不妊治療の専門病院に行くことを決意。そこで次々にショックな診断が下されました。まずは「無排卵」。そして、次に子宮卵管造影の検査をすることになりましたが……。

 「無排卵」と告げられ、その落胆から気持ちを立て直すことができないうちに、Mさんが受ける次の検査は「子宮卵管造影」でした。これは、精子が卵子と出会うため、また受精卵が子宮に戻るための道である「卵管」がちゃんと通っているかどうか、造影剤を通してその通り具合をチェックする検査です。

「なんでだろう? 子宮に管が入らない」と院長先生

 Mさんが緊張しながら検査台で処置を受けていると、何やら検査室の雰囲気がおかしいことに気が付きました。

長い静寂が続いた後、担当していた院長先生があせった様子で「なんでだろう? おかしい。子宮に管が入らない」とおっしゃったそうです。そして「これまで、何百人って検査してきたけど、こんなことは初めてです。なぜかという理由が分からないので、今これ以上検査はできない」とだけ言って、検査室を出ていかれました。

 何が起こったのか分からず、呆然ぼうぜんとしたMさんは看護師さんに「痛かったよね。落ち着くまで、ここで休んでていいから」と言われましたが、固く冷たいレントゲン台に一人横たわったまま、不安な時間を過ごしたそうです。

 なぜか、Mさんの子宮の中には造影剤のチューブが入っていかなかったのです。そして急きょ、「内視鏡検査に切り替えます」と言われ、動揺したMさんは、泣きながら旦那様に電話をしたそうです。自分の体に何が起こっているのか分からず、説明のしようがなかったのですが、とにかく誰かに話を聞いてほしい一心でした。

手術の後遺症で、子宮の通り道は針の先より細かった!

 ピンと張りつめた手術室で、ゆっくりゆっくりと内視鏡による子宮の検査が始まりました。そうして分かったのは、Mさんの子宮口が「塞がっている」ということでした。

 ドクターの説明によると、過去の手術の後遺症で子宮 頸部(けいぶ) に炎症が起こっており、子宮からの通り道が針の先端よりも細い、ごくごくわずかしか通っていなかったそうです。Mさんの子宮口は毎月、生理のたびに、そのわずかな隙間をこじ開けて、大量の経血を押し流していたのでした。これでは、ますます自然妊娠は奇跡に近い状態であったでしょう。

 その後、子宮頸部を広げる処置がとられて、Mさんは無事に卵管造影検査を受けることができました。しかし、その結果は、残念ながら「卵管の詰まりがみられる」というもの。また大学病院で言われたように、卵巣嚢腫の切除はできませんでしたが、その代わりに中の内容物を取り除くアルコール固定術という手術を受けることができました。

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松本亜樹子(まつもと あきこ)

NPO法人Fine理事長/国際コーチ連盟認定プロフェッショナルサーティファイドコーチ

 長崎市生まれ。不妊経験をきっかけとしてNPO法人Fine(~現在・過去・未来の不妊体験者を支援する会~)を立ち上げ、不妊の環境向上等の自助活動を行なっている。自身は法人の事業に従事しながら、人材育成トレーナー(米国Gallup社認定ストレングス・コーチ、アンガーマネジメントコンサルタント等)、研修講師として活動している。著書に『不妊治療のやめどき』(WAVE出版)など。
Official site:http://coacham.biz/

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