医療大全
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[熊本地震5年]赤ちゃんを救え<7>支えてくれたお返しを
ヘリポートに着いた男の赤ちゃんは、整った顔立ちをしていた。熊本地震の本震当日、2016年4月16日午後、九州大学病院(福岡市)にいた小児科医、松下 悠紀 さん(43)と、転院してきた 碧生 ちゃんの出会いだった。
生後4か月で体重は1600グラムほど。熊本市民病院で生まれたときは468グラムの超低出生体重児。未熟なまま生まれた影響で腸が 壊死 し、治療のため一時的に人工肛門をつくっていた。
駆けつけた母親の石田真知子さん(47)は、やつれた表情とは裏腹に多弁だった。松下さんはやんわり制止して、語りかけた。「お母さん、無理しないで。疲れましたよね。もう頑張らなくていいんですよ」。石田さんは涙をこぼした。
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