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街で障害のある人と出会ったら~共生社会のマナー

医療・健康・介護のコラム

「あなたを採用したら会社中に点字ブロックが必要なのでは?」 就職で一番厚いのは心のバリアです

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 ヨミドクター読者の皆さん、こんにちは。サービス介助士アドバイザーの平野恵です。新年度となり、就職活動の準備を始めた方もいらっしゃるのではないでしょうか。今回は、視覚障害者の就職活動について、求人の探し方、説明会への参加、面接と順を追って紹介します。

就職情報のアクセシビリティ

面接風景 面接官と面接を受ける視覚障害のある女性

 まず、求人の探し方についてです。私は、高校卒業と大学卒業という2度のタイミングで就職活動をしました。高校卒業時の就職活動では、求人情報冊子を親に代読してもらっていましたが、大学卒業時には現在の学生と同じように、WEBの求人サイトを利用しました。障害者の場合は、一般の求人サイトと障害者専用の求人サイトを選ぶことができますが、私は障害者専用の求人サイトを利用しました。

 障害者用の求人サイトには、一般企業の障害者求人情報も掲載されていますが、多いのは、企業が障害者雇用のために設ける「特例子会社」の求人です。一般向けの求人サイトでは、企業の沿革や企業理念、採用実績などのデータが、音声読み上げソフト(パソコンに入力した文字・パソコンに表示されている文字を音読するソフト)が対応できないPDFファイルや画像として掲載されていることが多いのですが、障害者用の求人サイトでは、読み上げソフトが対応するテキストで書かれていたり、文字の大きさを選択できるようになっていたりと、サイトのアクセシビリティも考慮されています。

 次にエントリーについて。履歴書をWordで作成しメールに添付する方法なら、音声読み上げソフトを使用して容易に作れます。しかし、webの専用画面上に記入して提出する場合は、音声読み上げソフトに対応していないことが多く、作成に何日も費やしました。アクセシビリティが整っていないというだけで、その企業に就職したいという気持ちも、あっという間にそがれてしまいます。

「係員にお声がけください」と言われても

 続いて就職フォーラムについてです。障害者用の就職フォーラムでは、係員が、出展している企業のブースまでの道案内をしてくれることが多いです。この仕組みはとても素晴らしいのですが、バリアも存在します。会場では「案内などが必要な方は、係員にお声がけください」とアナウンスがされますが、私のような視覚障害者は、そもそも係員を見つけることができません。解決策としては、〈1〉係員の待機場所を事前に参加者に知らせておく、〈2〉事前にその人専属の係員が必要かどうかを相談しておく、などがあります。主催者側でも係員の人数に限りがあるなど難しい点もあるため、事前に主催者と参加者で話し合いができるといいです。

 企業ごとのセミナーについても、苦労した点がありました。説明のために配布される資料が紙のみであることが多いのです。私は文字を読むことが難しいため、普段は点字版かwordなどのデータを音声読み上げソフトを使って読んでいます。セミナーの資料も例外ではありません。点字版の用意は難しくても、データを事前に用意することは可能なはずです。いつ視覚障害者が説明会に来たとしても対応できるよう、複数の媒体で資料を準備しておくべきです。

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街で障害のある人と出会ったら~共生社会のマナー

冨樫 正義(とがし・まさよし)

冨樫 正義(とがし・まさよし)
 1973年、埼玉県生まれ。桜美林大学大学院卒(老年学研究科修士号)。東洋大学国際観光学部非常勤講師。法律事務所、不動産関係会社、人事コンサルタント、専門学校講師を経て、現在、サービス介助士、防災介助士、認知症介助士などを認定・運営する団体「公益財団法人日本ケアフィット共育機構」(0120‐0610‐64)のインストラクターとして、年間50社以上の企業対象研修を担当するほか、企業のバリアフリー・ユニバーサルデザインのコンサルティングも行う。

平野 恵(ひらの・めぐみ)

平野 恵(ひらの・めぐみ)
 視覚障害と軽度の移動機能障害がある。2歳から4歳まで盲学校幼稚部、その後、小学校から高校まで養護学校(現在の特別支援学校)に通い、高校まで車いすを使用して生活をしていたが、大学入学後の訓練を経て、現在では白杖のみで歩行している。日本ケアフィット共育機構事務局に勤務。サービス介助士アドバイザー。

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