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大橋博樹「かかりつけ医のお仕事~家族を診る専門医~」

医療・健康・介護のコラム

高齢者へのワクチン接種スタート……安全性、副反応など疑問に答えます

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 日本でも新型コロナウイルスワクチン接種が始まりました。皆さんのご家庭にもワクチンを受けるためのクーポンが届いたかもしれません。当院でもワクチンの保管法や具体的な接種方法の確認など、安全に接種を行うための準備で忙しい毎日です。市民の方からの問い合わせも増えてきました。新しいウイルスに対する新しいワクチンですので、疑問や不安を感じている方もいらっしゃると思います。今回は、皆さんから多く頂く疑問について、お答えいたします。

安全で効果的なワクチンだが、接種後もマスクは必要

ワクチン接種スタート……安全性、副反応など疑問に答えます

Q.ワクチンの安全性は心配ないのか?

 今までのワクチンの多くは、生きたウイルスを弱毒化して作った生ワクチン、もしくは死んだウイルスの一部を用いた不活化ワクチンというものでした。どちらも開発には数年の時間が必要なワクチンです。そこで、開発スケジュールを短縮した新たなワクチン製法で作られたのが、今回の新型コロナワクチンです。わずか1年足らずの期間で実用化したものですので、私も発売当初は安全性がわからず、接種に消極的でした。

 しかし、これまで海外を始め多くの人に接種が行われ、現在日本で流通しているファイザー社のワクチンは、ワクチンと因果関係がある重症・重篤な有害事象は今のところ検出されていません。また、接種部位の痛みや発熱、 倦怠(けんたい) 感は報告されているものの、1日~1週間以内に自然軽快しており、後遺症を残しているという報告はありませんでした。有害事象の全くないワクチンは残念ながら存在しません。有害事象と新型コロナにかかってしまうリスクをてんびんにかけて判断することになりますが、私の当初の予想よりも重篤な有害事象が少ないという点で、安全なワクチンであると考えています。

Q.ワクチンを受ければマスクはしなくてよくなるの?

 今のところ、このワクチンは発症を予防することがわかっています。発症とは症状が出ることですので、症状がない感染まで予防するかどうかは今のところわかっていません。いずれ研究が進めば、無症状感染の予防効果も明らかになると思います。

 また、ワクチンはその集団の接種率で効果も変わってきます。つまり、みんなが接種すればそれだけその集団に対する効果も高まるのです。「インフルエンザワクチンを打ったけど、発症してしまった。ワクチンの効果が低いのでは?」という意見を聞くことがありますが、それは接種率が低いことが一つの要因とも言えるのです。ワクチン接種が国民全体に広がるのには時間がかかります。少なくともそれまでは、マスクを着けるなど、今まで通りの感染対策は必要です。

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大橋博樹(おおはし・ひろき)

多摩ファミリークリニック院長、日本プライマリ・ケア連合学会副理事長。
1974年東京都中野区生まれ。獨協医大卒、武蔵野赤十字病院で臨床研修後、聖マリアンナ医大病院総合診療内科・救命救急センター、筑波大病院総合診療科、亀田総合病院家庭医診療科勤務の後、2006年、川崎市立多摩病院総合診療科医長。2010年、多摩ファミリークリニック開業。

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1件 のコメント

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新型コロナの変異株がワクチン耐性にシフトしうること、発症は抑えられても衣服などに付着したウイルスをキャリーしてしまうこと、新型コロナ以外の何かの発生にも備えることを考えると、何もない時に屋外ではマスクするのは有効だと思います。また、新型コロナウイルスワクチンの接種後に血栓ができた事例が海外で報告されたこともあり、現行のワクチンに関しては賛否両論があります。中長期的副反応の確認や、改良型のワクチン、新治療法の出現を待つという行為が並列して存在します。その時間を、ワクチンを接種して待つか、接種しないで待つか、答えは個人の中にあるわけで、接種したい人が効率的に接種して行けるようにシステムを組んでいくしかありません。多方面の解析が進めば、治療法も含めた解決策の出現や改善が考えられるわけですが、最後は結果論なので難しいですね。一方で、難しい問題だからこそ、個人の判断を尊重する土壌が大事になります。

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