教えて!ヨミドック
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妊娠に気づかず薬を飲んじゃった!…胎児に悪影響があるのはどんな薬?
自己判断避け医師に相談
Q 妊娠に気づかずに、風邪薬を飲んじゃった!
ヨミドック 落ち着いてください。妊娠中に服用しても、胎児に悪影響がある薬はごく一部です。どんな薬を飲んだのですか?
Q 医者から処方された解熱剤と抗生物質です。
ヨ 解熱鎮痛剤のアセトアミノフェンなら、影響がないと考えられています。妊娠中期以降は、ロキソニンなどの非ステロイド性抗炎症薬は、胎児の動脈管収縮などの報告があり、使用が制限されています。
抗生物質は、ニューキノロン系以外は安全と言われています。
Q よかった。でも薬は出産するまでできるだけ飲まない方がいいのでしょ?
ヨ 医師に相談し、リスクとベネフィット(利益)を比較して、慎重に判断する必要があります。
風邪をこじらせて、急性副 鼻腔 炎などになったら、医師が処方する抗生物質を飲んだ方がいいでしょう。妊婦の体調がよくなると胎児も快適になります。ただ市販薬は、避けてください。同じ名前でも含有成分が異なる場合があります。
Q 風邪予防の注意点は?
ヨ ヨードを含んだうがい薬や噴霧薬で予防するのは、胎児の甲状腺機能に異常をきたす可能性があるのでやめましょう。
Q 持病がある人は?
ヨ てんかんの持病がある人は、妊娠前に主治医に相談し、胎児へのリスクが少ない薬にしましょう。
抗不安薬を服用している人は、出産前に産科医に伝えてください。新生児に震えなどの離脱症状が出る場合があるので、注意深く観察してもらいましょう。
どんな持病の薬でも、自己判断で服用をやめないでくださいね。

Q わかりました。
ヨ 新生児の先天的な病気の発生率は2~3%です。このうち薬が原因の病気はごくわずかなので、薬の影響を心配し過ぎないでください。
インターネットの情報に振り回されず、主治医や産科医に相談しましょう。「国立成育医療研究センター 妊娠と薬情報センター」(東京都世田谷区)でも相談に応じるほか、地域の拠点病院への紹介もしています。
(大沢奈穂/取材協力=村島温子・国立成育医療研究センター 妊娠と薬情報センター長、浜田洋実・筑波大教授)
ヨミドックは読売新聞の医療サイト・ヨミドクターのお医者さんキャラクターです。
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