今井一彰「はじめよう上流医療 あいうべ体操で元気な体」
医療・健康・介護のコラム
口呼吸だと猫背になり、体力も低下! 「富士山形」唇の子供は要注意
口ポカン 舌の落ち込みを防ごうと頭が前に
それでは、どうして口呼吸では姿勢が悪くなるのでしょうか。口呼吸は様々な原因で起こってしまいます。アレルギー性鼻炎やアデノイドなど鼻呼吸障害によるものはもちろんですが、習慣性の口呼吸が案外多いのです。口呼吸はあまり呼吸筋を使わず楽にできますから、保護者がよく確認をしておかねば、子どもは口が開いてしまって口呼吸をしがちです。
口がポカンと開くと、舌の位置も下がってしまいます。舌は上あごの天井についているのが普通の状態なのですが、だらりと口の下の方に落ちついてしまいます。こうなると気道を塞いでしまいますので、気道を確保するため、頭を前に突き出し、舌の落ち込みを防ぐようになります。すると、さらに口が開いてしまいます。これが独特な猫背の状態を作り出します。
姿勢の悪さは、呼吸の違いから来ていることがあるかもしれません。姿勢の指導の際には、ただ背筋を伸ばすことを伝える前に、その子の口が開いているかどうかを確認することが求められます。
空気がたくさん存在する地上で生活しているのに、口呼吸で猫背になっている子どもはもしかしたら、しっかりと酸素を体に取り込めず、苦しくてあえいでいる可能性があります。ですから、姿勢が一瞬良くなったとしても、すぐに“息苦しく”なるので、元の猫背に戻ってしまうことがあるのです。
息を吸う力も弱く、酸素を十分に取り込めず、そのため持久力も落ちてしまう。猫背と口呼吸は良いことがありません。
子どもの上唇の富士山に注意
子どもの口呼吸を見つけるには、口にある「富士山」に注目して下さい。5歳以上で富士山形の上唇になっている子どもは、口の機能が未発達で口呼吸になっていて、口腔機能発達不全症の可能性があります。まだまだ、どんどん体が成長する時期ですから、小児歯科などを受診し、適切なアドバイスを受けることをお勧めします。(今井一彰 みらいクリニック院長・内科医)
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