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森本昌宏「痛みの医学事典」

医療・健康・介護のコラム

長引く舌の痛みに注意! がんや難病が潜むケースも

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舌の表面に光沢…萎縮性舌炎

 舌炎には様々な種類があるが、「萎縮性」「アフタ性」の頻度が高い。

 萎縮性舌炎では、先に紹介した糸状乳頭が萎縮することによって、舌の表面が平滑になり光沢を呈する。このことから“平滑舌”とも呼ばれ、ヒリヒリとした 灼熱(しゃくねつ) 感を生じる。これと同様の症状を呈するものには、「プラマー・ビンソン症候群」(鉄欠乏性貧血)、「ハンター舌炎」(ビタミンB12欠乏症)、難病の「シェーグレン症候群」、ビタミンB2欠乏症などがある。

 一方、アフタ性舌炎では、米粒~大豆程度の大きさの浅い潰瘍を作って、触ると痛みが起こる。通常、アフタ性口内炎を併発するが、原因は不明なことが多く、疲労、感冒、胃腸障害などが関係する。

舌がん後期には壊死性の痛み

 舌がんの90%は 扁平(へんぺい) 上皮がんである。放射線治療が広く行われるが、その初期には炎症性の痛み、後期には 壊死(えし) 性の痛みが出現する。私は、この後期にみられる舌や下顎骨の痛みに対して、高周波熱凝固法による下顎神経ブロックを行い、良好な効果を挙げている。

小さな潰瘍が多発する「ベ-チェット病」

 境目のはっきりとした小さな潰瘍が舌、口唇、ほっぺたの粘膜に多発し、再発を繰り返す場合には難病の「ベ-チェット病」を疑う。また、薬物の副作用による「スティーブンス・ジョンソン症候群」(重症薬疹の一種)では、皮膚の紅斑に加えて、舌に小さな潰瘍を作る。舌表面の変化とともに痛みをきたすものとしては、「舌カンジダ症」「溝状舌」「地図状舌」などがある。また、「義歯性潰瘍」の発症頻度も高い。(森本昌宏 麻酔科医)

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森本 昌宏(もりもと・まさひろ)

 大阪なんばクリニック本部長・痛みの治療センター長。
 1989年、大阪医科大学大学院修了。医学博士。同大学講師などを経て、2010年、近畿大学医学部麻酔科教授。19年4月から現職。日本ペインクリニック学会専門医、名誉会員。日本東洋医学会指導医。著書に『ペインクリニックと東洋医学』『痛いところに手が届く本』ほか多数。現在、大阪市北区の祐斎堂森本クリニックでも診療中。

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