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「『困った子』でなく、『困っている子』なんです」…発達に課題がある子の保育に専門雑誌が必要だったワケ

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 自閉症やADHD(注意欠陥・多動性障害)など発達に課題がある子を保育する保育園や幼稚園の先生に向けた初めての定期雑誌「PriPriパレット」(世界文化社)が創刊され、わずか1週間で重版が決まるなど売れ行き好調だ。なぜ、発達障害のある子に特化した保育雑誌がここまで必要とされているのか。長年、保育現場の悩みを聞いてきた源嶋さやか編集長に聞いた。(聞き手・梅崎正直)

モノクロ2ページの連載が出発点

 

「『困った子』でなく、『困っている子』なんです」…発達に課題がある子の保育に専門雑誌が必要だったワケ

新雑誌に込めた思いを語る源嶋編集長

――3月に創刊された「PriPriパレット」ですが、どのような反響が寄せられていますか。

 これまで発達に課題がある子への保育に関する専門書はありましたが、知識は得られても、すぐに実践に使えるわけではない、という声がありました。「PriPriパレット」では、イラストや写真でビジュアルに示し、気になるテーマについて、明日の保育に使えるように工夫しています。保育園や幼稚園の先生たちからは、「実際にどう子どもに対応すればいいのか、視覚的に理解できて助かる」といった声をいただいています。また、やはり実践的な面で、「保護者にどう対応するか」という特集にも関心が高いようです。ネット書店では完売し、1週間で増刷となったのには驚きました。

――ニーズの高まりは感じていましたか。

 そうですね。2007年に、保育雑誌「PriPri」のなかの一つのコーナーとして、発達支援をテーマとしたモノクロ2ページの連載を掲載したのが始まりです。

 その頃は、現場の先生たちでも、発達障害という言葉はまだまだ聞き慣れないようでした。ですが、文部科学省が12年、全国の公立小中学校通常学級に在籍する約5万人に行った調査によると、「発達障害の可能性がある」とされた児童、生徒は6.5%に及んでいます。近年、園の先生方に聞くと、「もっと多いのではないか」という声を多く耳にします。特に認可保育園では、それまでに保護者と園がやりとりをして入園に至る幼稚園と異なり、どんな特性のある子が何人入園してくるのかもわからず、4月になってから対応を始めなければならないため、苦心されていました。

 そうしたなかで、発達支援のページが好評を得てカラーページになったり、視覚情報だと理解がしやすい傾向のある子に向けた付録の「絵カード」を作ったりと、発達障害の子の保育に関する情報が徐々に拡充していきました。そして、18年に特別編集版として発達支援に特化した一冊を出したところ、それもよく読まれたため、今回、季刊という形で定期雑誌化することになったんです。

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