スポーツDr.大関のケガを減らして笑顔を増やす
医療・健康・介護のコラム
剥離骨折のメカニズム。筋肉の動きに引っ張られて発生
それでは、Jさんの経過です。
当初は痛みが強く、松葉づえで歩行しました。スポーツ活動を休止し、歩行量も多くならないよう、学校生活など日常最低限の活動にとどめていました。痛みは段階的に改善し、軽いストレッチから開始しました。押した時の痛み、関節を動かした時の痛み、関節に抵抗をかけて動かした時などの痛みがなくなったことを確認してからジョギングを開始し、段階的に運動強度を上げ、サッカーに復帰しました。
今回の例のように自分の筋肉の収縮力で受傷するけがとして、肉離れやアキレス 腱 断裂が挙げられます。これらの筋肉や腱を損傷するけがは、成長期よりも成人になってからの方が頻度は高くなります。筋肉や腱の伸張性が低下していくから、と考えられますが、いずれにしても常に体のコンディションを良い状態に保っておくことが大切です。その意識は若い時から身につけておきたいですね。(大関信武 整形外科医)
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私たちは、スポーツに関わる人に身体やけがについての正しい知識を広めて、スポーツによるけがを減らすため、「スポーツ医学検定」を実施しています。スポーツ選手のみでなく、指導者や保護者の方も受けてみませんか(誰でも受検できます)。
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本文のイラストや写真の一部は、「スポーツ医学検定公式テキスト」(東洋館出版社)より引用しています。スポーツに関わる様々な人からスポーツのけがに対する考えを掘り起こし、多様な視点でスポーツ医学や安全について考える note もぜひご覧ください。
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